研究課題/領域番号 |
23791514
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水間 正道 東北大学, 大学病院, 助教 (80578675)
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キーワード | Notch / 癌幹細胞様細胞 |
研究概要 |
本研究はNotchシグナルを阻害することが、癌幹細胞様細胞を標的とし、新規胆道癌治療として有用であるかを基礎的に検討することを目的としている。Notchシグナルと胆道癌との関連を報告した文献は極めて少ないため、本研究ではNotchシグナルと胆道癌との関連性をまず明らかにする必要がある。そこで、研究開始当初、胆道癌切除標本を用いた組織マイクロアレイによるNotchシグナル発現の検討を行う予定としていたが、実際には組織マイクロアレイを行うにあたり、胆道癌切除標本のパラフィンブロックをくり抜くことから、くり抜いた後のパラフィンブロックを他研究に再使用できなくなるという不都合が生じるため、免疫染色による検討を行うことに研究方針を転換した。そこで、2000年以降の当教室において外科的切除された肝外胆管癌100症例以上のパラフィンブロックから未染色スライドを作成した。現在、Notchシグナルのターゲット因子であるHes-1を中心にNotchシグナル関連因子の免疫染色を行っている最中である。 平成23年度の研究実施報告書において報告した研究した内容、すなわち、蛍光免疫不全マウスを用いて腫瘍塊から癌細胞と癌間質細胞をviabilityを保持しながら高純度に分離する方法を確立できたことを論文にし、Journal of Experimental & Clinical Cancer Researchに投稿したところ採択され発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初検討していた組織マイクロアレイによる網羅的解析は、パラフィンブロックをくり抜くことから、他研究の試料として再使用することが困難となる。そのため、本研究を進めるにあたり、組織マイクロアレイによる検討から免疫染色による検討に方針転換することとしたため、遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
組織マイクロアレイによる検討から免疫染色でNotchシグナル関連因子を検討することに方針転換し、免疫染色での検討を進めていく。併行して胆道癌細胞株においてNotchシグナルをRNAiを用いてdown regulationさせ、抗腫瘍効果の検討を行っていく。 当教室で切除した胆道癌切除標本のパラフィンブロックを用いて、胆道癌におけるNotchシグナル関連因子の発現と臨床病理学的特徴との関連を免疫染色にて検討する。 胆道癌細胞株においてNotchシグナルをRNAiを用いてdown regulationさせ、コロニー形成能の変化、増殖能の変化、遊走・浸潤能の変化、マウス腫瘍形成能の変化を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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