研究課題/領域番号 |
23791530
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷田 司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30571377)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 肝再生 / 脂肪組織由来幹細胞 / microRNA / リプログラミング / 肝移植 |
研究概要 |
肝不全に対し脳死または生体をドナーとした肝移植療法が行われている。しかしドナー不足によりその恩恵にあずかる患者は限られており、生体肝移植においては、ドナーへの過大な負担の上に成り立っている。従って肝不全に対する肝再生療法の開発は急務である。本研究ではADSC,iPS-ADSCを用いて肝組織をin vitroで再構築・設計し、それを移植時に打ち込みcomposite graftとしてレシピエントに移植する又は肝不全患者の肝臓に直接組織移植する次世代型の肝再生療法の開発を行うことを考えている。 脂肪組織より分離したADSCの中にも一定のpopulationでMuse細胞の様に多分化能を持った細胞集団が存在することが予測され、肝再生に用いることができると考えており、実際に劇症肝炎モデルマウスの静脈内にMuse細胞を投与した実験ではこれらの細胞は傷害肝にフォーミングし肝細胞へと分化したことを示した。実際にADSCを採取し静脈内に投与する実験は当科で行っており、今後は肝炎モデルマウスにADSCを投与し肝炎の改善がみられるかを検討することとする。 また当科ではreprogramingを行ったADSC(miPS-ADSC)はさまざまな細胞に分化することを示した。今後はこの方法を用いることで癌化の可能性を下げ、安全に iPS-ADSCを作成することができると考える。このiPS-ADSCを利用すればより効率よく肝細胞,胆管上皮細胞へ分化すると言われている肝幹細胞,オーバル細胞の再生が期待でき、肝炎、肝不全の治療に応用できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ADSCの静脈内投与の実験を始めてはいるが、肝炎・肝移植モデルにおけるADSCの有効性の解析がまだできていない。
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今後の研究の推進方策 |
肝炎モデル、肝移植モデルにおけるADSCの有効性を実際に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
肝移植モデルにおいてADSC,miPS-ADSCから分化誘導した細胞を利用したcomposite graft移植の有効性を検討する。
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