研究概要 |
【背景・目的】多くの器官系のデザインの形成あるいは傷害臓器の修復に必須であるSonic hedgehogは発癌関連している事が報告されている。最近組織修復との関連が報告されており、今回腸管傷害におけるSHH pathway発現の意義について検討した。【方法】絶食モデルとしてWisterラットに6日間の絶食を、CPT-11投与による腸管傷害モデルとして、WisterラットにCPT-11を250mg/kgを腹腔内投与(0, 24時間)した。絶食・CPT-11投与後に腸管粘膜、血液を採取する。腸管粘膜を用いてWestern blot法とRT-PCRを用いてSHH pathway因子(Shh,Patch,Smo)、Tight junctionを含めた細胞接着因子等を検討する。【結果】絶食ストレスによりShhのmRNA発現が有意に上昇しており、SHH pathwayの活性化が示唆された。CPT-11モデルではShh, Patch, SmoのmRNA発現の上昇が認められなかったが、Tight junction(Claudin-1, Occludin)のmRNAの発現低下が認められた。 また癌幹細胞の検討でSHHが関与している事を同定した。【結論】絶食ストレスでSHH pathwayが活性化されており、腸管傷害修復に関与している事が示された。癌幹細胞でのSHHの関連を同定したために、今後、腸管幹細胞での検討を行う予定である。
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