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2012 年度 実績報告書

エンドサイトーシスからのエスケープ機能を装備した新規治療用人工ウイルスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23791543
研究機関九州大学

研究代表者

江上 拓哉  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40507787)

キーワードアデノウイルス / 薬剤内包型人工ウイルス / エンドサイトーシス
研究概要

本研究の目的は、アデノウイルスの細胞内侵入に関わる因子を同定し、アデノウイルスの細胞内侵入を模倣した薬剤内包型新規機能化人工ウイルスを作成し、その効率的癌細胞内導入方法を新規に開発することである。昨年度、我々は膵癌におけるエンドサイトーシス経路を解明し、抗癌剤内包人工ウイルスを作成した。インテグリンβ3がインテグリンβ5と比較し著しく高発現した膵癌ではアデノウイルス導入遺伝子の発現が低下していることが分かり、インテグリンβ3発現をsiRNAを用いて抑制した膵癌細胞では、アデノウイルス導入遺伝子の発現が高くなっているという結果が得られた。人工ウイルス作成では、このインテグリンに注目し、プロテアーゼシグナルによりインテグリンβ3のsiRNAが放出されるように人工ウイルスを改変した。
本年度は、まず人工ウイルスの細胞毒性試験をMTTアッセイ等で評価し、毒性がない事を確認した。また蛍光ラベルした人工ウイルスをマウスに静注し、超高感度CCDカメラ装着イメージングシステムで主要臓器への集積性や滞留性を評価した。次に、アデノウイルス治療が膵癌細胞株に対してどのように作用するか検討するためin vitroの実験を行ったところ、HGF/MET経路を介した癌間質相互作用が膵癌細胞へのウイルス取り込みを抑制する事が分かり、ウイルス治療と並行して間質を制御する必要性が確認された。さらには、膵癌治療薬として代表的なゲムシタビン治療とアデノウイルス治療との関連を検討したところ、ゲムシタビン治療抵抗性を示す膵癌細胞株において、より効率よくウイルスが取り込まれ、治療効率も高い事が示された。

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公開日: 2014-07-24  

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