研究課題
今研究の目的は癌関連線維芽細胞(CAF)をヒト胆管癌組織より分離し、同時に正常肝組織からNormal fibroblast(NF)を分離し、それらの特性を比較することで、前年度の問題点として、分離した細胞がコラーゲンディッシュに接着せず、また、正常星細胞のpurificationについても改良が必要であった。また、正常星細胞の培養も同様に困難であった。ヒトサンプルは組織を採取できる予定がしばしば夕方になること、腫瘍・背景肝組織の個人間のvariationが非常に大きく、プロトコールの調整が困難であることから、まず基本的なプロトコールの樹立のため、マウス星細胞・myofibroblastの分離にとりくんだ。まず、正常星細胞について、BL6 (6 month old)マウスを用いて、Liver perfusionを行い、正常星細胞は、Nycodenzを用いたstandard protocolに修正を加え、pronase、collagenaseIVをdigestion bufferとして用いた。最終的にculture dishへ張り付く細胞を回収し、purificationの specificityを確認すると、血管内皮細胞、マクロファージ分画の除去がどうしても困難であったため、これらの除去を抗体およびcolumn(Miltenyi Biotech)を用いて行い、非常に純度の高い星細胞の分離に成功した。次に、myofibroblastの分離にとりくんだ。慢性肝炎を誘発することで広く知られる、DDC( diethoxycarbonyl dihydrocollidine) dietを用いて、マウス肝のmyofibroblastを誘発し、同様に分離を行った。より多くのDigestion buffer、Collagenaseを通常の星細胞よりも必要としたが、培養の際はRat tail collagen処理したdishへ良好な培養が可能であった。肝細胞とstellate cellは強固に接着しており、同時に肝細胞を分離培養することは不可能であった。これらのプロトコールをベースに、人胆管癌細胞と、背景肝組織を用いて、現在プロトコールを改良中である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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