膵癌で発現するWnt抑制遺伝子の一つであるDKK-1を臨床応用するための試みとして、胆道系腫瘍についてそのDKK-1発現を解析した。当大学附属病院とその関連施設で切除された胆道系腫瘍30例について、腫瘍部分とその近傍の正常部組織からRNAを抽出し、逆転写反応を用いてcDNAを作成した。そのcDNAを用いてRT-PCRとReal-time RT-PCRを行い、発現量について比較したところ、胆道系腫瘍のうち胆管癌のみが腫瘍部で高発現していた。次に胆道系腫瘍細胞株を用いて発現をみたところ、胆管癌を由来とする細胞株ではほとんどの細胞株に発現がみられた。 次に胆管癌におけるDKK-1蛋白の影響を解析するために、胆管癌の細胞株を用いてDKK-1抑制株の作製に取りかかった。しかし、安定的にDKK-1のshRNAを発現する株を作製することができなかった。
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