研究課題/領域番号 |
23791555
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
樫村 省吾 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80398346)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | センチネルリンパ節 / 食道癌 / Foxp3 / CD83 |
研究概要 |
消化器癌領域において、sentinel node(SN)理論の検証が胃癌を中心に進められている。食道癌においてもsentinel node navigation surgery(SNNS)の臨床的意義の検証と日常臨床への応用が積極的になされていくと考えられる。また、近年免疫抑制活性を有するCD4+制御性T細胞(Treg)により自己免疫疾患が惹起されたり、抗腫瘍反応が抑制されることが報告されている。近年マウスモデルにおいて、CD4+CD25+Tregを除去するか、CD4+CD25+Tregの抑制を解除する可能性のある物質をアジュバントとして使用することにより、癌に対する免疫応答を増強し、癌を駆逐できること、またCD4+CD25+Tregによって認識される抗原を免疫することにより、癌に対する免疫応答を強く抑制し、化学発癌剤による発癌促進、マウス移植癌の増悪が起こることが報告され、Tregが腫瘍免疫応答を制御していることが強く示唆された。ヒトにおいても種々の癌患者で、末梢血および癌局所に浸潤しているCD4+CD25+Tregの割合が健常人に比較して増加していること、末梢血でのCD4+CD25+Treg数の増加、腫瘍局所でのCD8+T細胞/FOXP3+CD25+Treg比の低下は予後不良因子となりうることが報告され、Tregが腫瘍免疫応答を制御していることが示されてきた。センチネルリンパ節を含む食道癌所属リンパ節、および末梢血リンパ球、腫瘍内リンパ球においてFoxp3、CCR4、CCL22 mRNAの定量や蛍光色素で標識した抗CD4抗体、抗CD25抗体、抗Foxp3抗体を用いたFlow cytometryでの測定により、食道癌担癌状態における制御性T細胞の動態を明らかにし、臨床病理学的検討と併せて、制御性T細胞抑制等による腫瘍免疫効果の賦活を期待する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術検体の集積は進んでいるが、検体(リンパ節など)の解析が遅れている
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今後の研究の推進方策 |
センチネルリンパ節を含む食道癌所属リンパ節、および末梢血リンパ球、腫瘍内リンパ球においてFoxp3、CCR4、CCL22 mRNAの定量や蛍光色素で標識した抗CD4抗体、抗CD25抗体、抗Foxp3抗体を用いたFlow cytometryでの測定により、食道癌担癌状態における制御性T細胞の動態を明らかにし、臨床病理学的検討と併せて、制御性T細胞抑制等による腫瘍免疫効果の賦活を期待する。センチネルリンパ節の解析ではSingle Photon Emission Computed Tomography(以下SPECT)を用いて解析し、multi-detector row Computed Tomography (以下MD-CT)とSPECTの画像を合成する事により3次元的に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度の研究の継続、症例の蓄積と臨床病理学的検討
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