研究課題
平成24年度は、まずアクアポリン5-siRNAを導入したTE5細胞株を用いてmicroarrayによる網羅的解析を試みた。mRNA発現レベルが2倍以上に上昇/低下した遺伝子はそれぞれ1472/660種であった。これらをIngenuity Pathway Analysisにて解析したところ、Cellular growth and proliferationがアクアポリン5ノックダウンに関連したトップネットワークの一つとして抽出された。TE2, TE5細胞株にアクアポリン5-siRNAを導入したところ、G0/G1停止による細胞増殖抑制効果、アポトーシスの増強効果が確認された。手術臨床標本のパラフィンブロックを用い、アクアポリン5に対する免疫染色を行ったところ、アクアポリン5の発現が、腫瘍径・組織学的分化度・術後無再発生存期間と相関することを見出した。(J Gastroenterol. 2013)。また、アクアポリン5-siRNAを導入したTE5細胞株を低浸透圧処理したところ、75 mosmol/kgH2Oでの細胞容積変化と、0 mosmol/kgH2Oでの細胞破壊効果の増強が確認できた。さらに、生体への低浸透圧液投与の安全性を確認するため、BALB/cマウスで蒸留水投与群と生理食塩水投与群を作成し、3日間連日で2mlずつ各々蒸留水と生理食塩水を腹腔内投与したところ、両群ともday5, day7で全例生存し、肉眼的な腹腔内所見にも差を認めなかった。同時に、低浸透圧細胞破壊療法の基礎的検討を進め、胃癌細胞株(J Surg Res. 2012)、膵癌細胞株(Pancreatology. 2012)において、クロライド輸送体阻害により低浸透圧細胞破壊効果が増強されることを解明した。
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J Gastroenterol
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10.1007/s00535-013-0827-9
J Surg Res
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