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2011 年度 実施状況報告書

大腸癌細胞膜表面EGFR検出によるCetuximab感受性予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23791559
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

茂田 浩平  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30528790)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードセツキシマブ / 分子標的治療薬 / 大腸癌
研究概要

我々は細胞膜表面型EGFR(Epidermal growth factor receptor)発現量に着目し,この膜表面型EGFR発現量とCetuximab治療効果の相関を解明するとともに,癌免疫療法が分子標的薬治療に及ぼす影響を検討することを目的とした.ヒト大腸癌細胞細胞株であるCaco-2,WiDR,SW480,HCT116の4種と基底細胞癌細胞株のA431を対象として実験を開始し,Scorpion-ARMS法を用いて各細胞株のK-ras,B-rafの変異の有無を確認した.その結果,K-ras変異はSW480,HCT116に見られ,B-raf変異はWiDRに見られ,Caco-2はどちらも野生型であった.次に,ビオチンで修飾したCetuximabを一次抗体として各細胞株に使用してフローサイトメトリーにより細胞膜表面のEGFR検出を行った.cell sortingにより細胞膜表面EGFRの高発現株と低発現株の樹立を目指したが,これは困難であることが判明したため,Limiting dilution法により作成したサブクローンより細胞膜表面EGFRの高発現株と低発現株を抽出することとし,これに成功した.この高発現,低発現株においてMTT法を用いてCetuximabの腫瘍増殖抑制試験を行った結果,細胞膜表面のEGFRが低発現株では高発現株に比して腫瘍増殖抑制効果がみられなかった.これらの結果より,in vitroにおいて細胞膜表面型のEGFR発現量とCetuximab治療効果との間には相関関係がある可能性が示唆された.現在はこれらの細胞膜表面型EGFR高・低発現をBalb/c nude mouseに皮下注射しXenograft modelの作成を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現時点でin vitroにおける実験計画はおおむね順調に進展していると考えている.研究目的としている膜表面型EGFR発現量とCetuximab治療効果の相関はこれまでの結果より示すことができると考えている.

今後の研究の推進方策

Limiting dilution法を用いて更なるサブクローンを作成し,細胞膜表面EGFRの高発現株と低発現株を抽出することを今後も継続して行い,細胞膜表面型EGFR高・低発現株を集める。細胞膜表面型EGFR高発現群と細胞表面型EGFR低発現群の2群に分け,これをBalb/c nude mouseに皮下注射しXenograft modelの作成を継続していく.このモデルにcetuximabを投与し多段階でsacrificeを行い,その効果を免疫染色やwestern blotなどの方法で検証する事を計画している.これらの研究実績を本年度・来年度の国内・国外学会で発表することを計画するとともに,研究成果を英文誌へ投稿する予定である.

次年度の研究費の使用計画

次年度は作成に成功した細胞膜表面型EGFRの高・低発現株の培養に必要な機材やXenograft modelを作成するためのBalb/c nude mouseの購入などにおもに研究費を使用することを計画している.また,国内・国外学会での発表の際の旅費・経費として使用することも計画している.

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公開日: 2013-07-10  

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