研究課題
H23年度の研究にて実験計画通り、ブタの摘出肺(心肺ブロック)を使用し光線力学診断(以下PDD)用内視鏡システムおよびビタミンB2水溶液による蛍光法を利用した肺区域同定法を確立し、その有用性(蛍光による正確で十分な区域描出能、描出時間)を論文報告した。H24年度研究では、計画通り前年度に確立したPDD用内視鏡システムおよびビタミンB2水溶液による蛍光法のよりヒト臨床での想定に近づけるべく麻酔動物(ブタ)において本法の有用性・安全性の評価を行った。本年の研究では、有用性の評価として、①生体内でも十分な蛍光強度が得られるか、②区域切除を施行することを想定し十分な蛍光の持続時間が得られるか、③実際に施行された区域切除の精度を評価した。安全性の評価として①本法により施行された肺区域切除の合併症評価、②ビタミンB2水溶液を気道内投与し、投与後2週間の経過観察を行い、投与後の合併症評価、さらに犠牲死後の肉眼的病理学的評価を行った。本年度の研究では、3頭の予備実験の後、計6頭で本手技の評価を行った。結果として、6頭すべてで十分な区域の蛍光標識が可能で、精度の高い区域切除を施行可能であった。すなわち、生体内でも十分な蛍光強度・時間が得られ、正確な区域同定が可能であった。さらに、本法に伴う合併症は認めず、実験動物における安全性が確認できた。現在、本結果の論文報告の準備中である。また、現在、本結果を持ってヒト臨床への導入を計画している。
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The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery
巻: Available online 16 October ページ: 1121-X
10.1016/j.jtcvs.2012.09.010.