研究課題/領域番号 |
23791577
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大塚 崇 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40306717)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 肺移植 |
研究概要 |
研究ではマウス気管移植モデルを用いて、CARBON MONOXIDE RELEASING MOLECULE(CORM)をマウスに投与して、BRONCHIOLITIS OBLITERANSが抑制されることを確認した。またCORMに移植気管上皮、上皮下へのT細胞の浸潤が抑制されることを証明できた。上記の結果は世界心肺移植学会で受理され、平成24年度に国際会議で発表の予定である。気管の閉塞も出るに関しては気管内腔の狭窄allograftでは認められたのに対し、CORM投与群では狭窄の軽減が確認できた。血液中のサイトカインをELISAで検討したが、これは有意差を認めなかった。また移植グラフトでの炎症性サイトカインの発現(IL-2 IFN-gamma)がCORMにて抑制されることもPCR法にて確認できた。しかしながらTH-2サイトカインであるIL-10はCORM投与群とコントロール群での差を認められなかった。またCORM投与により血液中のCOHbの濃度を検討したが、上昇は認められなかった。Adenosine 2AレセプターのBブロッカーの投与で炎症性サイトカインが移植グラフトで発現が抑制されていることも認められた。今後はin vitroでのT細胞の関与の実験、アデノシンレセプターのT細胞での発現の実験、また移植気管をもちいてフローサイトメトリーによるT細胞のsubsetでの気管移植への関わりを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究ではマウス気管移植モデルを用いて、CARBON MONOXIDE RELEASING MOLECULE(CORM)をマウスに投与して、BRONCHIOLITIS OBLITERANSが抑制されることを確認した。またCORMに移植気管上皮、上皮下へのT細胞の浸潤が抑制されることを証明できた。上記の結果は世界心肺移植学会で受理され平成24年度に発表の予定である。また最近移植グラフトでの炎症性サイトカインの発現がCORMにて抑制されることもPCR法にて確認できた。今後はin vitroでのT細胞の実験、また移植気管をもちいてフローサイトメトリーによるT細胞のsubsetでの気管移植への関わりを検討する。
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今後の研究の推進方策 |
異種移植(allograft)のラット肺移植を行い、8週間後に犠牲死させる。以下の群に分類する。使用するラットはF344とWKYの2種類を使用する。(1)一酸化炭素250ppm下、投与薬剤なし(2)大気下、高発現したアデノシンレセプターのアゴニスト(3)大気下、高発現したアデノシンレセプターのアンタゴニスト(4)一酸化炭素250ppm下、高発現したアデノシンレセプターのアゴニスト(5)一酸化炭素250ppm下、高発現したアデノシンレセプターのアンタゴニスト(6)大気下、投与薬剤なし上記(1)から(6)を組織像、免疫染色によるT細胞の局在と数、フローサイトメトリーによるT細胞のサブセットを検討する。血液中のサイトカインも測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定の通り動物、実験器具の購入、実験試薬の購入、また学会発表ならびに論文発表で使用する。
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