研究課題/領域番号 |
23791579
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
川島 友和 東邦大学, 医学部, 講師 (00328402)
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キーワード | 米国 / 臨床解剖 / 比較解剖 / 心臓神経 / 刺激伝導系 / 弁膜症 |
研究概要 |
本研究は、近年著しい増加傾向にある心臓弁膜症に対する弁形成術・置換術に対して、内科的経カテーテル弁埋込み術等との比較なども視野に入れながら、さらなる機能温存術式確立の為に臨床解剖学的基盤構築を行うことである。 本年度は、僧帽弁ならびに三尖弁へのアプローチとしての径右心房切開部位の検討ならびに三尖弁形成術・置換術のための臨床解剖学的検討を重点的に行った。その結果、従来から注意が向けられている中隔尖周囲の刺激伝導系のみならず、その血行動態維持という事が重要であるという結果を得た。また冠動脈造影の際の重要な評価基盤であるアメリカ心臓協会(AHA)の冠動脈セグメントを改変する必要があることが考えられた(川島・村上、2014年2月東邦医学会にて発表)。 また、昨年度まで重点的に解析してきた大動脈弁狭窄症に対する解析結果は、2論文に分けて論文発表する予定である。そのうちの1本は内科的経カテーテル大動脈弁埋込み術に対する臨床解剖学的解析として現在論文投稿中である。もう1本は外科的大動脈弁置換術のための臨床解剖学的解析として学会発表を行い(川島ら、2014年3月日本解剖学会)、現在さらなるサンプルサイズを増やして解析を継続している。 さらには、これまでの動物機能実験データをヒトへ臨床応用するための翻訳データ作成の一助として行っている心臓自律神経系に関する比較機能解剖学的解析においてはこれまでのデータをまとめ、2本の論文を発表した (Kawashima et al., 2013a, 2013b)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に集中的に調査した大動脈弁に関する解析に関しては、本年度1本の論文を作成し現在投稿中であり、もう1本は現在もサイプサイズを増やして論文投稿を目指す。また、今年度に重点的に解析した三尖弁・僧帽弁に関する解析では学会発表を通して内容をまとめ来年度投稿を目指している。さらには、結果統合のための心臓神経に関する比較解剖学的解析においては2本の論文発表を今年度に行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに研究を行う事で十分な成果が得られる事が期待されるため、大きな変更はありません。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は最終年度であるため、いくつかの成果発表や追加研究調査のための旅費や論文作成の為の費用が見込まれたため、今年度の支出をやや控える事とした。 ①成果発表や追加研究調査のための旅費や②論文作成の為の英文校正代や投稿費等の捻出を計画している。
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