研究課題/領域番号 |
23791582
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斉藤 敦志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (60375053)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
近年、脳梗塞急性期の血栓溶解療法についてtissue plasminogen activatorの使用が普及し効果発現時間や投与量の検討について報告が相次いでいる。動物実験レベルでは新たな抗血栓薬の開発についても研究が進み日進月歩の研究分野のひとつである。我々はヒト脳梗塞の病態に近く再現性の高いラット脳虚血モデルを用いて脳梗塞後の神経細胞死や薬剤の神経保護効果について研究を進めてきた。今回、我々はin vitroのレベルで血栓溶解作用が確認された新たな抗血栓薬であるSMTPについて脳梗塞治療薬としての有用性を調べることを目的に実験を行った。SMTPはラット脳梗塞モデルに経静脈内投与を行い脳梗塞急性期の脳保護効果について、脳血流の変化、神経細胞死の程度、神経細胞死の促進因子の発現を分析し生化学的な検証を行った。新たな知見としては、SMTP投与群では対照群と比較して有意な脳梗塞体積の抑制効果が認められた。また、再灌流に伴う急峻な脳血流量の増加をSMTPは有意に抑制していた。SMTPは血栓への直接的な溶解作用が期待され虚血脳における循環動態の悪化した環境においてこそ効果が期待できる可能性があり、虚血下の微小循環における血栓形成抑制、再灌流障害の抑制がSMTPの作用機序として考察された。臨床応用としては脳梗塞の急性期血栓溶解療法においては従来の治療薬と比較しtherapeutic windowの拡大が期待され、重篤な併発症のひとつである出血性梗塞発生を抑制できる効果は期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット脳虚血モデルを用いた脳梗塞抑制効果においてSMTPは有意差のある結果が得られた。作用機序の詳細はいまだ明らかではないが再灌流障害早期の脳血流の変動を抑制した所見を確認することができたことが理由。
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今後の研究の推進方策 |
SMTPの脳梗塞抑制効果の作用機序について検証を進めることで研究の推進をはかることを検討している
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次年度の研究費の使用計画 |
ラット脳虚血モデルを用い新たな神経細胞死のシグナル伝達物質の細胞内動態に注目し分析を行うことを検討している。研究費はタンパク分析に必要な試薬や物品、実験動物の購入に使用を計画している
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