研究課題
研究目的:頚動脈狭窄症症例において、血小板凝集能と炎症性サイトカインの経時的測定を行い、その後の心血管性イベントの発生率・頚動脈ステント留置術後の周術期合併症・再狭窄の発生率を検討することにより、抗血小板剤の至適投与量を決定する。1)CAS適応外である軽-中等度狭窄例(NASCET 30-50%)に対する観察研究 今年度末までに124例の症例を登録し、前向きに追跡中である。アスピリン/シロスタゾールを内服中で血小板凝集能が充分抑制されていなかった一例でmajor strokeを来した以外に、有意なイベントはなく、今後の更なる症例の蓄積が必要である。活性化血小板マーカーについては、基礎疾患の影響が多い傾向がみられ、症例によって非常にばらつきが多く、検討に困難を要している。2)動脈ステント留置術を施行予定の頚動脈狭窄症症例に対する、術前抗血小板薬のランダム化比較試験今年度末までに55症例に同意/参加いただき、1例の除外症例をのぞいて54症例で中間解析を行った。アスピリン+クロピドグレル群、アスピリン+シロスタゾール群では一次評価項目:CAS周術期合併症、MRI拡散強調画像での高信号病変出現率、6ヶ月後再狭窄、二次評価項目:遷延性徐脈・低血圧、心血管性イベントに差は認められなかった。しかし、MRI拡散強調画像での高信号病変の出現を認めた14例と、認めなかった40例で関連する因子について検討したところ、活性化血小板マーカーについては有意差を認めなかったが、術前血小板凝集能(ADP, collagen)の値に有意差が得られた。
2: おおむね順調に進展している
ランダム化研究については目標症例数に達していないものの、MRI拡散強調画像での高信号病変の出現をみた群で有意に術前血小板凝集能が亢進している結果が得られている。
更なる症例の蓄積、サブ解析
血小板凝集能、活性化血小板マーカー測定にかかわる検査関連機材/薬剤
すべて 2011 その他
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Int J Mol Med
巻: 27 ページ: 695-700
http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurosurgery/