研究課題
本研究ではMRIレポーター遺伝子であるMagA過剰発現トランスジェニックマウスを作成し、同マウスを用いることでMRIで脳腫瘍発育中の骨髄由来細胞の動態を可視化する事を目的としている。前年度までにMagAトランスジェニックマウスの作成に成功しそのcharacterizationを行なっていた。今年度には前年度に引き続き、MagAマウスの解析を行った。MagAマウスより骨髄を採取し、骨髄由来単核球の単離を行った。その後、MRIならびに組織学的に骨髄由来単核球を解析した。MagAマウス由来の単核球では野生型マウスと比較してMRIでT2強調画像で低信号に描出され、組織学的にも鉄イオンの含有量が多いことが確認された。他に、肝臓、腎臓でMagAマウスは野生型マウスに比較して、組織内の鉄含有量が有意に上昇していることが確認され、これは組織学的のみならず、MRIでも画像的に確認された。脳組織においてはMagAマウスと野生型マウスでは組織内の鉄含有量に有意差を認めずなかった。次に、骨髄由来の単核球だけでなく同様の解析を末梢血白血球に対しても行った。その結果、末梢血の白血球においても骨髄由来細胞で得た知見同様、細胞内の鉄の蓄積量がMagAマウスでは野生型のそれに比較して上昇していることならびにMRIでの観察で同白血球がMagAマウスでは野生型に比較してT2強調画像でより低信号に描出されることを確認した。最後にMagAマウスから野生型マウスへ骨髄移植を行い、骨髄球の生着力を検証したが、同実験では正嫡力が極めて低く、骨髄移植の際に投与するMagAマウスからの骨髄細胞量を通常のGFPマウスからの骨髄移植に比較して大量に必要であることが示唆された。
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