研究課題
平成25年度は、平成24年度に最も研究が進んだパーキンソン病に対する脊髄持続電気刺激療法の実験を優先させることとした。パーキンソン病モデルラットに対して、脊髄持続電気刺激を行うことで、行動学的に良好で、組織学的にも良好なTH fiberの温存結果が得られることが判明したため、低頻度持続、中頻度持続、高頻度持続の複数の刺激条件を設定し、より効率的な刺激条件を見つけることとした。すると、中頻度の脊髄持続刺激にて、行動学的にも組織学的にも有意に良好な結果を得ることが判明した。従来我々は、脳虚血モデルに対しては、低頻度持続刺激の神経保護効果を確認しており、一方でintactなモデルに対しては、Long-term potentiationを誘発する高頻度刺激が、海馬歯状回における効率的な神経新生を引き起こすことをを確認している。今回のパーキンソン病モデルにおける脊髄持続刺激に関しては、低頻度刺激、高頻度刺激のいずれも最も良好な結果とならず、中頻度刺激が最も良好な結果をもたらした。そのため、神経新生以外のメカニズムがより治療効果に関係していると考え、脳内栄養因子の分泌について検討した。すると脊髄の刺激であるにもかかわらず、脳内でVEGFの分泌が亢進していることが確認された。この結果より、脊髄刺激が脳幹網様体などへ影響を及ぼしている可能性が示唆された。以上の内容は現在論文投稿中である。また、脳梗塞に関する実験としては、酸化ストレス・抗酸化力の観点からGLP-1受容体作動薬の虚血保護効果を確認し、論文化し受理された。
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