研究課題/領域番号 |
23791617
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
安達 一英 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10338056)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | グリオーマ / テモゾロミド / 化学療法耐性 |
研究概要 |
新世代DNAメチル化剤temozolomide(TMZ)のヒトグリオーマ細胞に対する主要な効果はG2/M arrestに伴うmitotic catastropheであるが、耐性を獲得する問題がある。今までの検討ではTMZ耐性ヒトグリオーマ細胞においてはTMZ処理後にG2/M arrestは生じていないのにもかかわらず、G2/M check point活性化を示すcdc2リン酸化(Tyr15)は認められたことから本当にG2/M arrest阻害が耐性に関与しているのか不明であった。そこでまずヒトグリオーマ細胞のTMZ耐性株作成を行った。U87MG由来のTMZ耐性株作成のために7日の間隔でTMZによる処理(順次濃度増加)を行い3カ月間分離培養することにより計5株のU87MG由来TMZ耐性細胞株を分離獲得することができた。以前作成したTMZ耐性株よりもFACSによる解析ではTMZ投与時にG2/M arrestがどの株も確実にまた長期にわたって阻害していることが確認され、耐性株としてばらつきのない良いものを得ることができた。次にTMZ耐性獲得とG2/M arrest阻害との関係を明らかにする目的でcdc2リン酸化の検討行った。western blotの結果によるとcdc2-tyr15リン酸化はTMZ耐性株にTMZを投与3日目までは発現が見られているが、5日目以降は著名な減少もしくは消失していることが判明した。反対にcdc2-Thr161は3日目以降発現が減少するものもあるものの、7日目まで発現が保たれた(つまり低リン酸化型:活性型になった)事から、やはりTMZ耐性株においてはG2/M arrestを阻害することにより、耐性を獲得したと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
耐性株を再度新しく作り直すこととなったために、やや遅れている
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今後の研究の推進方策 |
現在、cyclin B1の染色を検討しTMZ耐性株とU87MGにおける細胞・核局在の違いを検討し、免疫染色の条件検討を行っているところである。その次にはヒトグリオーマ細胞におけるTMZ耐性化に際しBRCA1変異の関与を明らかにする。TMZ耐性ヒトグリオーマ細胞とU87MG(ヒトグリオーマ)細胞を、TMZ・BCNU(エチル化剤) ・cisplatin(白金製剤)にて細胞処理を行い、薬剤処理細胞および薬剤未処理細胞を用いて、BRCA1蛋白並びにその関連蛋白の発現変動をwestern blot法を用いて、また遺伝子発現をRT-PCRを用いて評価し、BRCA1遺伝子の変異の可能性について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H22年度と同様に物品費・旅費などに使用し、特に現在のところ大口な物品購入は予定していない
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