研究課題
特発性正常圧水頭症の疑いの症例のうち、最終年度開始時までに画像・臨床データ・髄液のマーカー測定が完了した22名について検討を行なった。特発性正常圧水頭症を示す画像所見として、高位円蓋部の狭小化といわれる髄液不均等分布が診断基準として重要視され、ガイドラインが改訂されたタイミングであり、それに着目した解析を行なった。するとかねてより髄液マーカーとして重要視されており、頭蓋内環境の恒常性維持や睡眠に関与するとされるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)濃度と高位円蓋部の狭小化の所見に関連性を認めた。また、L-PGDSと画像上の白質障害指数(動脈硬化性変化・慢性虚血性変化を反映したもの)との関連性、L-PGDSと髄液中タウ(神経変性のマーカー)との関連性も確認した。これらの意義は現時点で不明であるが、加齢とともに生じ、時に鑑別の難しいアルツハイマー病を中心とした各種変性疾患や脳血管障害に伴う認知症と特発性正常圧水頭症の鑑別、或いは、その相互移行性を探る上で重要な事項と考えている。
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Fluids Barriers CNS
巻: 11 ページ: in press
10.1186/2045-8118-11-9.
脳神経外科ジャーナル
巻: 23 ページ: in press