生体内模倣傾斜機能アパタイト(functionallygradedhydroxyapatite:fg-HAp)の骨軟骨欠損修復材料としての有用性について、既存の連通性多孔体ハイドロキシアパタイトセラミック(以下IP-CHA)と比較検討した。約20週齢の成熟家兎の顆間窩に作成した骨軟骨欠損(直径4.5mm、深さ4mm)に、欠損とほぼ同サイズのfg-HApならびにIP-CHAを単独で移植し、術後4、12週で屠殺、大腿骨を摘出し、肉眼的・組織学的に比較検討した。移植後4週、12週のいずれにおいても、有意にfg-HAp群が優れていた。体液・血液を吸収し、血液親和性にきわめて優れた、吸収特性の高いバイオセラミックスであるfg-HApは、培養細胞や成長因子を必要としない骨軟骨欠損修復材料として有用である。
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