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2012 年度 実績報告書

光音響顕微鏡装置を利用した関節軟骨および軟骨下骨の同時評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23791624
研究機関東北大学

研究代表者

萩原 嘉廣  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90436139)

キーワード変形性膝関節症 / 光音響 / 関節軟骨 / 軟骨下骨 / 超音波 / レーザー / 非侵襲的評価
研究概要

変形性膝関節症は関節軟骨ばかりでなく軟骨下骨もその病因に関与する。軟骨下骨の評価方法はMRIやCTでも可能だが、ミクロレベルでの評価は難しい。本研究は、東北大学医工学研究科・医用イメージング研究分野 西條芳文教授開発したレーザー光を照射し、光音響現象により発生した超音波を中心周波数40 MHzの超音波振動子で受信し画像化する非侵襲型の「光音響顕微鏡装置」を用いて、正常な関節軟骨ならびに軟骨下骨の質的評価の基礎的なデータの収集、また独自に開発した変形性関節症モデルを用い、関節軟骨・軟骨下骨の経時的変化のデータ収集を目的である。 まず関節軟骨および軟骨下骨の評価に最適な半導体レーザー出力、凹面超音波振動子の設定を行った。半導体レーザーはレーザー出力:420μJ、 波長:532nm パルス幅 3.2ns、繰り返し周波数 50Hz、また超音波振動子は中心周波数 50MHz、焦点距離 15 mmが最適であった。次に正常ラット膝関節から脛骨の関節軟骨‐骨複合体を取り出し、評価したところ、超音波では評価できなかった軟骨下骨の描出が可能となった。レーザーは特に赤色に吸収されやすく、海綿骨内の赤血球を反映しているものと推察された。続いてラット膝関節不動化モデルによる変形性膝関節症を作製し、同様の評価を行った。不動化期間が長くなるほど変形が進行するモデルであるが、4、8週と不動化期間が長くなるとともに軟骨下骨の信号強度が増す(レーザー吸収が増す)ことが確認された。関節軟骨と軟骨下骨で統計学的に有意に上昇しており、従来から指摘されている血管新生を指示する結果であった。 本研究から、世界で初めて関節軟骨および軟骨下骨の同時評価が可能となり、病勢も反映していることが予想され、今後臨床応用へむけたさらなる研究が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] Three-dimensional Photoacoustic Imaging of Cartilage-Bone Complex.2013

    • 著者名/発表者名
      Takuya Izumi, Mika Sato, Yoshihiro Hagiwara, Yoshifumi Saijo
    • 学会等名
      the International Congress on Ultrasonics 2013
    • 発表場所
      Singapore,Civil Service Club Singapore
    • 年月日
      20130502-20130505
  • [学会発表] PHOTOACOUSTIC IMAGING OF CARTILAGE-BONE COMPLEX.2013

    • 著者名/発表者名
      Hagiwara, Takuya Izumi, Yutaka Yabe, Kenji Kanazawa, Akira Ando, Yoshifumi Saijo, Eiji Itoi
    • 学会等名
      The 2013 Osteoarthritis Research Society International World Congress
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      20130418-20130421
  • [学会発表] 半導体レーザを用いた光音響顕微鏡によるラット膝関節の評価2012

    • 著者名/発表者名
      和泉拓哉,佐藤みか,長岡亮,萩原嘉廣, 西條芳文.
    • 学会等名
      東北大学電気通信研究所 超音波エレクトロニクス研究会(共催:日本超音波医学会 基礎技術研究会、第四回アコースティックイメージング研究会)
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20121213-20121213
  • [学会発表] 半導体レーザを用いたマウス膝軟骨の光音響イメージング.2012

    • 著者名/発表者名
      和泉 拓哉,三井田 佑輔,長岡 亮,佐藤 みか,松浦 祐司,萩原 嘉廣,西條 芳文.
    • 学会等名
      第33回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20121113-20121115
  • [学会発表] Photoacoustic Imaging of Rat Knee Joint2012

    • 著者名/発表者名
      Takuya Izumi, Mika Sato, Yoshihiro Hagiwara, Yoshifumi Saijo
    • 学会等名
      2012 IEEE International Ultrasonics Symposium
    • 発表場所
      Dresden, Germany
    • 年月日
      20121007-10
  • [学会発表] 光音響顕微鏡によるマウス膝軟骨の観察2012

    • 著者名/発表者名
      和泉 拓哉, 三井田 佑輔, 長岡 亮, 佐藤 みか, 松浦 祐司, 萩原 嘉廣, 西條 芳文.
    • 学会等名
      生体医工学シンポジウム2012
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20120907-20120908
  • [学会発表] 光音響顕微鏡によるマウス膝軟骨の観察2012

    • 著者名/発表者名
      和泉拓哉,三井田佑輔,長岡亮,久保聖乃,小島貴則,佐藤みか,萩原嘉廣,西條芳文
    • 学会等名
      日本超音波医学会第85回学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120525-20120527

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公開日: 2014-07-24  

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