研究概要 |
全脳から頸髄レベルまでをfMRIの撮像範囲として自発運動課題における運動関連神経ネットワークを解明した。対象は健常被験者および頚椎症性脊髄症患者とし、3テスラMRIと頭頸部用コイルを使用して、大脳から第一胸椎レベルまでを撮像範囲とした。fMRI画像解析にはSPM8(UCL, London, UK)およびFSL (FMRIB, Oxford University, Oxford, UK)を使用した。自発運動課題は左右それぞれの母指・小指の対立自発運動課題とした。健常被験者では運動対側の一次運動野(M1)と第6-7頚椎高位の脊髄(SC)、運動同側の小脳(Cer) のそれぞれの領域間で有意な相関関係を認めた。M1とCer間の相関は強かったものの、SCとM1、SCとCer間の相関はやや弱かった。しかしながら、頚椎症性脊髄症患者では のそれぞれの領域間で有意な相関関係を認めず、症例によってデータのばらつきが大きかった。 頚髄症性脊髄症患者の術後の経時的な変化を検討した。術前と比較し、術後2週間ではM1、Cer、SCそれぞれの部位で活動は上昇していたものの、症例によってデータのばらつきが大きかった。
|