研究課題/領域番号 |
23791632
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
宮崎 剛 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (80324169)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨再生 |
研究概要 |
今回我々はBMScを用いて、これまで適応ではない変性疾患で損傷した軟骨病変に対して、さらに簡便で効率のよい手法での軟骨再生の基礎的研究を計画し、平成23年度より開始した。 まずウサギを用いて軟骨欠損モデルの作成に取りかかった。6ヵ月齢の白色家兎の膝関節においてリューターを用いて、表層欠損と、軟骨下骨まで欠損したモデルの作成を計画し行ったが、6ヵ月齢ではすでに変形性関節症を発症している個体も存在していたため若年齢のものを使用するように変更し、モデル作成を継続する予定である。またハートレー系の変形性関節症自然発症モルモットを用いて、同個体にヒアルロン酸とBMScを関節内直接注入することで変性軟骨の再生増強作用が得られることが確認された。現在GFPラット、GFPマウスのBMScを抽出し、安定した細胞となるように継代培養も含めて細胞培養技術の確立を行っており、今後実験に用いる予定である。 今後の実験予定としてはBMScを採取、軟骨組織に特異的に分化する条件について検討を行う。またBMScが軟骨へと分化した際の細胞外基質産生量など細胞代謝活性について検討を行う。また実際に関節内へ投与する際に細胞とともに投与するscafoldを選定する(より効率よく移植細胞が損傷軟骨部に長時間とどまれるような特性のもの)。次にOAの自然発症モデルであるハートレー系モルモットを用いて実際にscafoldと表面マーカーもしくは細胞内に抗体でマーキングした細胞懸濁液を混合したものを関節内へ投与し、それら細胞が関節軟骨へどの程度取り込まれるものかを評価する。さらに大型のウサギ、ブタなどの細胞でも靱帯切断モデルを使用して同様の評価を行う予定であり、将来的にはES細胞、iPS細胞など分化能の高い細胞を用いての実験や、ヒトへの臨床応用を目指して実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウサギの軟骨欠損モデルの作成が当初考えていたものより困難であり、均一な軟骨損傷状態にすることがなかなか難しくウサギ変形性軟骨症モデルの作成、実験導入が遅れている。変形性膝関節症自然発症モデルであるハートレー系モルモットを用いて実験を行うことも並行して行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の実験予定としてはBMScを採取、軟骨組織に特異的に分化する条件について検討を行う。またBMScが軟骨へと分化した際の細胞外基質産生量など細胞代謝活性について検討を行う。また実際に関節内へ投与する際に細胞とともに投与するscafoldを選定する(より効率よく移植細胞が損傷軟骨部に長時間とどまれるような特性のもの)。次にOAの自然発症モデルであるハートレー系モルモットを用いて実際にscafoldと表面マーカーもしくは細胞内に抗体でマーキングした細胞懸濁液を混合したものを関節内へ投与し、それら細胞が関節軟骨へどの程度取り込まれるものかを評価する。さらに大型のウサギ、ブタなどの細胞でも靱帯切断モデルを使用して同様の評価を行う予定であり、将来的にはES細胞、iPS細胞など分化能の高い細胞を用いての実験や、ヒトへの臨床応用を目指して実験を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、動物購入に研究費を振り分けていく予定である。また場合によっては細胞の購入、実験結果の解析などにも研究費を使用する予定である。
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