In Vitroにおける交流電磁場下薬物療法の治療効果の検討:骨肉腫細胞株(LM8)を培養し①無処置群②抗腫瘍薬投与群③電磁場暴露群④抗腫瘍薬投与+電磁場暴露群 の4群に分け処理を行い、交流電磁場暴露による抗腫瘍効果を検討している.抗腫瘍薬はアドリアマイシンを使用した.②④はそれぞれアドリアマイシンの濃度依存的に増殖は抑制できたが,両者に統計学的有意差を認めなかった(④が②に比べて抑制効果が強い傾向はある).そこで現在はアドリアマイシンの濃度を0.1μMから3μMまでの濃度設定を行い、各濃度で電磁場暴露による効果がどのように影響するのかを検討中である。マウスを用いたin vivoでの実験系で抗腫瘍効果:マウスに肉腫細胞株(LM8)を背部皮下に移植し、腫瘍サイズが長径10㎜を超えたところで①無処置群 ②抗腫瘍薬投与群③電磁場暴露群④抗腫瘍薬投与+電磁場暴露群 の4群に分け処理を行い、交流電磁場暴露による抗腫瘍効果をin vitroの実験と並行して検討している。抗腫瘍薬はアドリアマイシンを腹腔内投与して使用している.In virtoと同様,②④ともに①③に比べて腫瘍径の増大率は有意に抑制できているが,②と④では統計学的有意差を認めていない.その原因であるが,腹腔内投与にマウスの移動などのため電磁場曝露をアドリアマイシン投与後1時間で設定しおこなっているが、過去の報告などを考慮すると、化学療法投与直後に暴露させた方が電磁場による相乗効果が期待できると考え、現在効率化を図り、磁場曝露のタイミングを早期におこなうように調整している.
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