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2011 年度 実施状況報告書

iPS細胞を用いた椎間板再生医療と生体内iPS細胞バンク作成への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 23791639
研究機関神戸大学

研究代表者

角谷 賢一朗  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10533739)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードiPS細胞 / 椎間板 / メカノレセプター
研究概要

マウスiPS細胞をフィーダー細胞上で安定して培養し、継代することに成功した。さらにこの安定供給されるiPS細胞を直接、椎間板髄核細胞、線維輪細胞を共培養を行っても、iPS細胞の脱分化が誘導されるのみで形態的にも生化学的にも椎間板細胞への分化誘導は困難であった。iPS細胞からSFEB(Serum-free Floating culture of Embryoid Body-like aggregates) 法にて胚様体を作成した。すなわち、iPS細胞を浮遊培養することでやがて散乱したiPS細胞が集族し胚細胞に似た胚葉体を形成した。この行程には約7日間が必要であった。この作成された胚葉体は間葉系細胞への分化誘導に優れていることが知られており、レチノイン酸を負荷し接着培養を行うことで約3週間後に間葉系幹細胞への分化が形態的に観察された。この間葉系幹細胞の評価として、まずは骨分化誘導能の評価を行った。骨分化誘導能は骨分化誘導培地で約3週間培養すると間葉系幹細胞は形態が変化しアリザリン染色にてCa沈着を確認した。本研究によって、iPS細胞から胚葉体形成、さらに間葉系幹細胞が安定的に分化誘導可能であることが明らかとなった。また、このiPS細胞誘導間葉系幹細胞には、骨分化誘導能が確認された。今後、この間葉系幹細胞とマウス椎間板髄核細胞、線維輪細胞を共培養することで世界で初めてiPS細胞から椎間板細胞の分化誘導に成功することが予想される。次に椎間板細胞の動的負荷に対するレセプターを解析した。椎間板組織は線維輪と髄核に分けられる。レセプターとしてintegrin α5β1、CD44が椎間板組織の線維輪、髄核の両者に発現が確認された。また、椎間板組織に動的負荷を与えることで、線維輪でintegrin α5β1が有意に発現が刺激されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

iPS細胞から椎間板細胞への分化誘導には、MSCと椎間板細胞との共培養が不可欠である。ただし、この共培養には比較的大量の椎間板細胞が必要であることが、現在のところ明らかとなった。これは、実験前には明らかでなかったことであり、効率的な椎間板細胞の培養法の樹立を目指している。一方、椎間板組織のメカノレセプターに関する研究は、機能実験を開始する予定である。

今後の研究の推進方策

椎間板細胞の安定培養には、場合によってはラットなどへの実験動物の変更が必要と考えており、現在手配している。また、メカノレセプターの機能実験に関しては、integrin, CD44に対する阻害剤やsiRNAに準備を進めており、近日中に開始予定である。

次年度の研究費の使用計画

iPS細胞の分化誘導とラット椎間板組織の採取を行うため、実験動物の購入、飼育やiPS細胞の培養、分化誘導に際して研究費を使用予定である。また、メカノレセプターの機能実験に関しては、培養装置の改良が必要の見込みであり、改良費用、実験動物の購入、組織培養の試薬購入等に研究費を使用する予定である。なお、次年度への繰越金が発生したが、これは次年度請求の研究費と合わせて試薬購入等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 動的負荷培養装置を用いたラット椎間板における器械受容体の検討2011

    • 著者名/発表者名
      蔵川拓外 角谷賢一朗 平田裕亮 山本潤哉 張鐘穎 前野耕一郎 高田徹 西田康太郎 黒坂昌弘
    • 学会等名
      第38回 日本臨床バイオメカニクス学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2011 – 1118

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公開日: 2013-07-10  

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