研究課題/領域番号 |
23791652
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
熊谷 研 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10468176)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | PTH / 骨折治癒 |
研究概要 |
骨粗鬆症治療薬として副甲状腺ホルモン(PTH)製剤が本邦で承認され、実際の臨床で使用可能となった。PTHは間欠投与により骨形成作用を示し、骨折治療への応用も期待されている。最近の研究では、副甲状腺機能低下症患者に12ヵ月間のPTH投与を行い、末梢血中の骨前駆細胞が増加し、骨形成率と相関することが報告されている。骨折治癒や骨欠損に対する骨再生には、骨を形成するための細胞供給が不可欠である。我々は新しい細胞供給のメカニズムとして末梢血由来骨前駆細胞のホーミングに着目し、PTH間欠投与による骨形成促進効果との関連について検討を行った。骨折作製前にGFPマウスと野生株マウスを外科的に結合し、末梢循環を共有するparabiosisを作製した。末梢血においてGFP陽性細胞のキメラを形成後、野生株マウスの大腿骨を骨幹部で骨切りし、骨折モデルとした。この時、骨切り部から2mmのみ骨膜を除去した。骨折作製後、翌日より連日でhPTH(1-34)をGFPマウスと野生株マウスの両方へ皮下注射を行った。2週および4週で検体を採取し、X線および組織標本にて評価を行った。骨折部周囲の外仮骨形成量は、PTH投与群が非投与群に比べ有意に多かった。アルカリフォスファターゼ活性陽性率もPTH投与群が非投与群より有意に高かった。PTH投与群の骨折部においてはアルカリフォスファターゼ活性を示すGFP陽性細胞が多数確認された。このことより骨折治癒過程において、末梢血由来骨前駆細胞の関与はPTHの間欠投与に影響され、骨形成が促進されることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究モデルの作製が予定通り行われ、当該年度に予定していた解析をほぼ行うことができ、一つの結論を導くことができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果を踏まえ、PTH間欠投与による末梢血由来骨前駆細胞のホーミングを促進させる因子について検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物、抗体等の試薬、その他消耗品、学会発表のための旅費に使用する。
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