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2011 年度 実施状況報告書

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤SAHAのオートファジー細胞死誘導機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23791660
研究機関九州大学

研究代表者

岡田 貴充  九州大学, 大学病院, 助教 (70525550)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードautophagic cell death
研究概要

多剤耐性骨肉腫細胞株にSAHAを投与し電子顕微鏡にで細胞内オルガネラを観察すると、SAHAはautophagic cell deathを誘導させる際には、細胞内にautophagosomeと呼ばれる器官の形成を促進させることが確認できた。Autophagosomeを形成する際に発現上昇を認めるタンパクとしてLC3(Microtuble-associated protein 1 light chain)-I、LC3-II、Beclin1が知られているが、SAHAを様々な濃度でMNNG/ADR細胞株に投与し24時間培養したのち、細胞を回収し、抗LC-3抗体、抗Beclin1抗体 (ノバス バイオロジカルズ社)を用いてWestern-blottingを施行したところ、濃度依存的な発現の上昇を認めた。以上のことからSAHAは多剤耐性骨肉腫細胞株において細胞死を誘導する際、autophagyを誘導することを示す事ができた。続いて細胞周期の検討を行った。細胞株にSAHAを投与し細胞周期を測定した。SAHAはapoptosisを誘導する骨肉腫細胞株MNNGにおいてはSub-G1分画を増加させるが、autophagic cell deathを誘導するMNNG/ADRにおいてはG2/M分画の上昇を認めた。Autophagyを誘導する際に細胞周期をG2/M期に誘導することが分かったが、現在その機序について検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞株の樹立が進んでいない。細胞株は現在4種類の樹立を目指しているが、現在はそのうちの1種類が樹立できたのみである。

今後の研究の推進方策

多剤耐性株の樹立に関してはアドリアマイシンを使用した多剤耐性株の樹立を目指している。今後も残り3細胞株に対して樹立を目指す予定である。多剤耐性株をヌードマウスにxenograftを行い、Ewing肉腫のマウスモデルの作製を進めているが、xenograftに成功する場合と成功しない場合とがあり、動物系の確立という点では未だ不十分である。ドップラー血流計を用いて血流の豊富な位置に注入するなどの工夫を行い動物モデルの樹立を目指す。

次年度の研究費の使用計画

当初の予定通り以下の3項目の研究を実施する。(A)SAHAによるautophagic cell death誘導メカニズムの解析 :SAHAの指摘濃度を細胞に投与し経時的発現量の変化を調査する。 (B)SAHA投与後の細胞周期の解析 :SAHAの投与により経時的にG2/M が増加するのかを調査する。SAHAによるautophagy発現タンパク質の経時的発現量を検討した時間と同様の時間である4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、36時間、48時間後にSAHAを投与した細胞を回収しFlow cytometryを施行してそのpooulationの増加を調査する。 (C)多剤耐性骨肉腫細胞動物デルの作製 :既に作成してある多剤耐性骨肉腫細胞株MNNG/ADR、MG63/ADRをantymic nu/nu/miceや各種ラットなどにxenograftを行い生着を試みる。他のマウスや他の動物腫に対する生着も確認する必要があるため、平行して実検を施行する予定である。以上の研究計画の遂行にあたり、同様の研究を行っている発表者との討論を行うための学会出席のための旅費やデータをまとめるために使用するパソコンの購入、論文投稿の査読・投稿費用を中心に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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