多剤耐性骨肉腫細胞株にSAHAを投与し電子顕微鏡にて細胞内オルガネラを観察すると、SAHAはautophagic cell deathを誘導させる際には、細胞内にautophagosomeと呼ばれる器官の形成を促進させることが確認できた。Autophagosomeを形成する際に発現上昇を認めるタンパクとしてLC3(Microtuble-associated protein 1 light chain)-I、LC3-II、Beclin1が知られているが、SAHAはMNNG/ADR細胞株においてLC-3、Beclin1濃度依存的な発現の上昇を認めた。以上のことからSAHAは多剤耐性骨肉腫細胞株において細胞死を誘導する際、autophagyを誘導することを示す事ができた。続いて細胞周期の検討を行ったところ、SAHAはapoptosisを誘導する骨肉腫細胞株MNNGにおいてはSub-G1分画を増加させるが、autophagic cell deathを誘導するMNNG/ADRにおいてはG2/M分画の上昇を認めた。Autophagyを誘導する際に細胞周期をG2/M期に誘導することが分かったが、そのタイミングに付き検討を行ったところBeclin1等のタンパク誘導時期とG2/M導入時期がほぼ同時期であることが確認できた。さらにこれらの関連について検討中である
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