1) 骨肉腫のゲノムコピー数異常解析と遺伝子発現解析 当院バイオバンクに保存されている、臨床的背景が同一である小児骨肉腫腫瘍凍結検体30症例分よりDNAおよびRNAを抽出し、arrayCGHによるゲノム解析および骨肉腫関連遺伝子候補の発現解析を行った。 2) 化学療法感受性を予測しうるgenomic markerとしてのゲノム領域および候補遺伝子の抽出と検証 Learning series22症例のArray CGHによるゲノムコピー数解析により化学療法感受性を予測しうる8個のgenomic markerが特定され、その中には既知の骨肉腫関連遺伝子が内包されていた。さらにこのmarkerを用いたscoring systemを作成し、独立した8例のvalidation groupによる検証を行ったところ、高い精度をもって各グループに症例群を判別可能であった。 3) 次世代シーケンサーを用いた薬剤感受性関連遺伝子の変異検索 薬剤低感受性症例を中心とした小児骨肉腫腫瘍凍結検体11症例分より抽出されたDNAとその正常コントロールとしての末梢血由来DNAを比較することで、腫瘍特異的変異の検索を行い、これまでに3つのSNVを同定した。
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