研究課題/領域番号 |
23791674
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
中谷 文彦 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00535320)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / マイクロRNA / 国際情報交流 イタリア |
研究概要 |
国立がん研究センター中央病院にて治療を行った高悪性度骨軟部腫瘍患者について、スタンドアローンのコンピューターを用い、病理診断、発生部位、初診時病期、治療方法、予後などについてのデータベースを作成した。作成したデータベースはパスワードを用いて管理し、それぞれ、最新の情報に更新した。また、このデータベースから治療前の生検や根治的切除時に採取、保存された凍結検体が存在するものに関しては、病理組織ごとにリストを抽出し、同様にスタンドアローンのコンピューターに管理保存した。採取保存された凍結検体の質を確保するために、各々の検体の病理組織を再確認、デジタル画像を同時に撮影保存した。また、平成23年度に国立がんセンター中央病院を初診した骨軟部腫瘍患者のうち、同意が確認できた方については、研究用に血液サンプルを採取、本研究で使用する予定である血清サンプルを院内バンクに保存した。凍結検体の一部からMicroRNAを含んだTotal RNAをTRIZOL試薬を用いて抽出し、適切なRNA検体が採取されているかを確認した後、凍結保存を行った。 学会活動に関しては、日本整形外科学会、骨・軟部腫瘍学術集会に参加、講演を行った。その内容は、小児に好発する代表的な高悪性度骨軟部腫瘍であるEwing肉腫におけるMicroRNAの網羅的解析結果について発表であり、骨軟部腫瘍領域の基礎研究者、臨床医と協議を行った。また、他がん腫の領域におけるMicroRNA研究の現状、特に、創薬につながるトランスレーショナル研究について、それぞれの専門家と協議するために日本がん治療学会に参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究方針において協議を行う予定であった、ボローニャ大学リッツォーリ整形外科病院の骨軟部腫瘍科、教授が急逝され、現状では現地に渡航し、研究協議を行うことが困難な状況ため。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積された悪性骨軟部腫瘍検体および血清からMicroRNAを含んだTotalRNAを抽出し、マイクロRNAを用いた網羅的解析、リアルタイムPCRを用いた定量化を行う。 ボローニャ大学リッツォーリ整形外科病院の骨・軟部腫瘍新教授が平成24年6月には決定する予定である。決定され次第同教授と連絡を取った後、渡航し、研究方針を協議決定する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
マイクロRNAを定量化する試薬の購入、研究データを解析するソフトウェアの購入、論文発表するために必要な英文校正費用、国際情報交流を行う研究機関への渡航、学会発表などを行うための旅費などに使用する予定である。
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