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2011 年度 実施状況報告書

特発性脊椎側弯症の遺伝子解析に基づいた進行予測因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23791676
研究機関独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター)

研究代表者

八木 満  独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 整形外科, 医員 (40338091)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード特発性側弯症 / 遺伝子解析 / 連鎖解析
研究概要

特発性脊椎側弯症は原因不明の疾患で、学童期に脊椎が著しく弯曲し、呼吸器障害や心不全のため死に至る疾患である。1970年代から世界中の多くの施設で競合して原因遺伝子の検索が行われているが、その原因遺伝子はいまだに同定はされていない。我々は特発性脊椎側弯症の患者組織および血液から取得した遺伝子情報に関して、骨軟骨に影響を与える遺伝子群の発現量の変化から特発性側弯症進行のメカニズムを探求する。また、臨床応用の可能性を具現化するために、手術治療が必要な進行性の側弯症患者を特定し、適切な患者に適切な時期に治療を行うための唾液、血液サンプル検査キットの開発を目指す。本研究は患者からの検体採取・大動物実験・細胞培養・分子生物学的解析の多岐に渡る手技を集約してはじめて達成されるため、それぞれの分野に特化した技師及び細胞提供者を配し、効率的な体制の元に遂行する計画である。この中で特に専門性が高く常時必要な手技として大動物実験・分子生物学的解析があるが、申請者の組織では専属の研究補助員がいるため、より迅速に研究が推進可能であると考える。平成23年度の計画1. ヒト側弯症患者の組織採取我々の施設では年間50-100例の特発性側弯症手術を行っており、また500人前後の術後の患者がいる。これらの患者およびご家族から血液サンプルを取得した。得られた組織から遺伝子情報を取得し、マイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析を開始し、また免疫染色や電子顕微鏡による組織解析の準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初、われわれの平成23年度の計画では、ヒト側弯症患者の組織採取を終了させる予定であった。実際には我々は側弯症患者本人だけでなく、ご両親の血液サンプルも取得し、これも合わせてマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析を開始している。また免疫染色や電子顕微鏡による組織解析の準備を行う。これらの進行状況から平成24年度に予定の研究がほぼ終了できる見込みとなっている。

今後の研究の推進方策

1. ヒト側弯症患者の組織採取と発現遺伝子の解析: 引き続き患者の組織採取を継続しながら、得られた組織をDNA解析・免疫染色・電子顕微鏡などを用いて評価する。我々の研究の焦点は既知の骨代謝に関連する遺伝子群の発現量の変化を解析することであるので、ゲノムワイドの網羅的研究は行わず、あくまで骨代謝の関連する遺伝子群およびメラトニンシグナル関連分子の発現量を唾液、および血液サンプルで解析し、脊椎および椎間板組織のDNA解析・免疫染色・電子顕微鏡でこれらの分子の発現を確認する。2.ニワトリ側弯症モデルにおける遺伝子発現の解析: 研究者らの施設で町田らによって確立されたニワトリ松果体切除による側弯症モデル(Machida M et al, Spine, 1993)は、世界的に見ても唯一の特発性側弯症動物モデルである。このモデルを作成し、これらの遺伝子の発現量を確認し、また正常ニワトリの血液サンプルとその 発現量を比較し、統計学的に有為に変動するターゲットとなる遺伝子を確認、選定する。平成25年度の計画3.ヒト側弯症患者の発現遺伝子の確認: ヒト特発性側弯症進行患者および非進行患者から採取した検体を用いて3.で選定されたターゲットとなる遺伝子群の発現量の差異を確認し、これらのターゲットとなる遺伝子群の発現量の差異が臨床的に側弯症進行の予測検査となりうるかを検証する。4.唾液および血液サンプル側弯症を用いた進行予測検査のキット作製および検証: 4.で確認されたターゲット遺伝子群を網羅したDNA検査キットを作製し、このキットを用いて側弯症患者において前向き調査として、側弯症進行予測検査としての臨床的有用性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

マイクロサテライトマーカーを用いた遺伝子解析に平成24年度の研究費のうち多くの部分を使用する予定である。また、免疫組織学的検査と実験動物の購入、手術、発現遺伝子の解析等に予定通り研究費を用いる。

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公開日: 2013-07-10  

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