研究課題
脊髄損傷後に運動機能などの回復が乏しい主な原因として、中枢神経では損傷後の軸索の再生が極めて乏しいことが挙げられる。その一因として、損傷部に軸索再生を阻害する分子が存在する事が指摘されて来たが、われわれはその一つであるSemaphorin3Aに着目して研究を行って来た。先行研究でわれわれは、osmotic mini pumpを用いてSemaphorin3A阻害剤(SI)を完全脊髄切断モデルのラットの損傷部に投与することによって運動麻痺の改善促進効果などが得られることを見出した。しかしながらこの先行研究では、運動麻痺の改善促進効果に関してSIの投与効果は限られたものであった。その理由の一つとして、再生した軸索が適切にrewiringされていなかった可能性が考えられる。そこで今回われわれは、われわれが開発したrobotic armを用いた新規訓練法によるtreadmill訓練を併用することで、運動麻痺の改善などの更なる促進効果が得られるか検討を行った。その結果、脊髄損傷後、SI投与とリハビリテーションの併用により再生軸索のrewiringが促進され、運動機能改善促進効果が得られた。本研究結果より、損傷後早期の適切なリハビリテーションの併用が再生軸索のrewiring促進効果を有する可能性が示唆された。
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