研究課題/領域番号 |
23791680
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
國澤 卓之 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (40339031)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 麻酔学 |
研究概要 |
塩酸ランジオロールは周術期管理に有用な短時間作用性β遮断薬であり、ハイリスク患者における低用量投与の有効性の報告が漸増している。しかし、現在はハイリスク患者における薬物動態パラメータが不明であるため、血中濃度が増加しているのか、感受性が増加しているのか明らかになっていない。そこで今回は、健常人の薬物動態パラメータ(PKP)を用いて標的濃度調節持続静注(TCI)システムを利用して、実際の血管外科患者への投与を行い、ハイリスク患者のPKPの算出を行うことを目的としている。当院では手術対象となる血管外科患者が多く存在し、順調にエントリーが可能となっている。また、健常人のPKを用いたTCIシステムは、順調に機能し、安定した患者への投与が可能となっている。実際の投与を行った患者では、当初の計画通り、14ポイントの採血を行っている。薬物の血中濃度が低下しないように、酵素活性を阻害した採血法を行っており、検体処理後凍結保存を行うことも可能となっている。検体の蓄積状況に応じて、当初の計画通り実際の血中濃度の測定も行っている。現在得られた血中濃度は、概ね期待通りの値であり、予測血中濃度と実測血中濃度は大きな解離を認めないというような結果が、現在までの症例では得られている。またさらに、現在までに得られた実測値を用いて、PKPを仮に算出してみると健常人のPKPと大きな解離は見られず、独立したPKP算出という最終結果のみならず、健常人との差違の少なさも結果から導き出される可能性が現在までの状況では、示されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象は、閉塞性動脈硬化症(ASO)患者であり、症例数が豊富で、研究対象と成る患者は定期的に手術室で手術を受けている状況である。ランジオロールTCI(target-controlled infusion)システムは、順調に稼動し、安全に患者に投与できる状況である。また、倫理委員会の承認も取得し、研究遂行に障害となるものは存在しない状況である。また、血中濃度の実測に関しては、安定した計測を行うことが可能であり、患者エントリー、投与、実測と準備は万端整っている。実際の患者への予備投与では、血行動態は安定して推移し、安全な研究の施行が可能であることも確認されている。実際のエントリー、投与、計測も順調に行われており、概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
実際の測定値の整合性を判断し、実際の薬物動態(PK)パラメータ算出に向けて、研究を進めていくことが可能な状況になっている。基本的なPKパラメータ算出を行った後、PKパラメータに影響を及ぼす因子の解析などを行い、より精度の高いPKパラメータ算出の段階に進むことが可能と考えられている。患者への投与が終了した段階で、解析に進むことが可能となるため、残り少ない患者への投与は容易と考えられ、それと平行して、薬物動態解析を行いつつ、過去のデータと比較しながらそのデータの整合性を検討し、新たなるPKパラメータを算出するのみならず、過去のデータと含めたPKパラメータの算出も試み、多岐にわたる比較を行い研究の精度を上げていくことで、よりよい研究を遂行できるよう計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
実際にランジオロール測定に必要な試験管や試薬などの消耗品の購入は、必要な経費と考えられる。今年度は、それに加え、実際のPKパラメータの算出という作業があるため、解析に必要なソフトやハードの購入を計画している。また、研究成果発表のための旅費や投稿に必要な英文校正などの費用に研究費を使用する計画を検討している。
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