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2013 年度 実績報告書

麻酔プレコンディショニングがミトコンドリアイオンチャネルに与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 23791681
研究機関旭川医科大学

研究代表者

丹保 亜希仁  旭川医科大学, 医学部, 助教 (80531524)

キーワード麻酔プレコンディショニング / ミトコンドリア / ナトリウムチャネル / 虚血/再灌流傷害
研究概要

短時間、可逆性の心筋虚血の繰り返しによりもたらされる心筋のプレコンディショニング作用は1986年に発表された。同様の心筋プレコンディショニング作用が吸入麻酔薬によりもたらされることが1997年に報告された(Anesthetic-induced Preconditioning;APC)。 APCの発現機序として,様々な細胞内情報伝達系への作用が報告されてきた。また、パッチクランプ法を用いた細胞膜上のATP感受性カリウムチャネルや、電位依存性イオンチャネルにおけるAPCの効果についての研究も発表されている。近年の報告では、ミトコンドリアがAPCの心筋保護効果における重要な役割を担っているとの考えが主流になっている。ミトコンドリアを介するAPCの効果発現機序としては、ミトコンドリアのCa2+過負荷の減少、膜電位の保持、およびアポトーシスの抑制などが報告されている。
心筋の虚血/再灌流傷害を引き起こす機序として、細胞内のカルシウムオーバーロードは非常に重要である。細胞外からのカルシウムの取り込みにより賦活されるリアノジンレセプターの役割はこの現象に関与している。マイトプラストからは,数種類のコンダクタンスの電流が記録された。これらの中にミトコンドリアのリアノジンレセプターが含まれている可能性が考られた。APCの発現機序の1つとして,カルシウム/ナトリウム過負荷に関しての研究のため,心筋細胞のナトリウムチャネル電流の記録を行った。APCによりナトリウム電流は有意に増加した(1.53倍)。またチャネル不活性化曲線も有意にシフトし,電流が1/2となる平均電圧は-78.9から-74.5mVへと増加した。不活性化からの回復もAPCにより有意に早くなった。また,ナトリウムチャネル蛋白の発現量はAPCで有意に増加した。これらの変化は活動電位時間にほとんど影響を与えなかった。

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公開日: 2015-05-28  

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