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2012 年度 実施状況報告書

マウス心停止モデルを用いた心肺蘇生後の硫化水素による人工冬眠療法の臓器保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 23791683
研究機関筑波大学

研究代表者

中山 慎  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60596443)

キーワード心肺蘇生
研究概要

全身麻酔をペントバルビタールの腹腔投与とセボフルランを併用して行い8分間の心停止実験を行った。心停止中は加温コイルを用いて頭の温度を38.5度に保った。水硫化ナトリウムの投与量を前年度より減らし、0.2mg/kgの経静脈投与とし、心肺蘇生30分後に投与したが、生存率24%と低く、この投与量での実験継続を断念した。生存率を高めるために頭の加温を37.5度と減らし、より生理的な条件に近づけた。水硫化ナトリウムの投与経路を変更し3mg/kgの腹腔投与を心肺蘇生30分後に行った。この条件で生存率60%以上となったため、本実験を開始した。
【方法】マウス(オス、体重20-28g、C57bl/6)にセボフルラン2%とペントバルビタール25mg/kg腹腔投与し全身麻酔後、中心静脈からカリウムを注入し心停止を誘発し、心停止時間8分後から蘇生を開始(純酸素で人工呼吸、エピネフリンを投与、心臓マッサージ)。蘇生30分後にNaHSを3mg/kg腹腔投与し、生理食塩水投与(NS)群と比較した。蘇生後の体温は、保温器具により6時間、両群とも35℃以上に保った。蘇生4日後に灌流固定を行い、脳組織をH&E染色し、海馬と線条体の障害を評価した。
【結果】 蘇生4日後の生存率はNaHS投与群(n=20)が70%とNS投与群(n=19)の74%と同程度であった。線条体の組織障害はNaHs群で有意に少なく(NaHS群vs NS群: 22±7% vs 35±22%、P<0.05)、海馬の組織障害は両群で有意差は無かった (NaHS群vs NS群: 17±23% vs 25±31%)。4日後の神経行動反応スコアも両群で有意差なかった。
【結論】 蘇生後の体温を一定に保った場合においても、NaHSの蘇生後投与は脳の線条体における組織障害を軽減した。海馬の遅発性神経細胞死は4日間では観察できなかった可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

心肺蘇生4日後の短期観察群は終了し、12日後の長期観察群の実験結果の評価はまだ終わっていない。組織標本においてH&E染色だけでなく、アポトーシス誘導酵素であるカスパーゼ3染色を行い、アポトーシスとそれに引き続く遅発性神経細胞死の評価も行う予定。

今後の研究の推進方策

硫化水素投与群では蘇生後の体温低下傾向が見られたため、その低体温による神経保護効果を除外するために蘇生後の体温を一定に保ち観察を行った。次年度も蘇生後の体温を一定に保ち、最適な投与タイミングを調べる。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 常温での水硫化ナトリウムの脳保護作用: マウス心肺停止・蘇生モデルを用いた検討2013

    • 著者名/発表者名
      中山慎、田口典子、田中誠
    • 学会等名
      日本麻酔科学会:第60回学術集会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130523-20130525

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公開日: 2014-07-24  

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