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2012 年度 実績報告書

新生児脳における麻酔薬の副作用による神経細胞死の評価と予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23791702
研究機関三重大学

研究代表者

田川 剛志  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (00508517)

キーワード小児麻酔 / セボフルラン / アポトーシス
研究概要

新生仔マウス(生後7日目)を用いて、麻酔薬の神経細胞死誘導効果の有無を評価した。
具体的には、生後7日目のマウスを①Control ②Thiopental(注射薬) 5mg/kg ③Propofol(注射薬) 10mg/kg ④Sevoflurane(吸入麻酔薬) 3% 6時間 ⑤Thiopental 5mg/kg + Sevoflurane 3% 6時間 ⑥Propofol 10mg/kg + Sevoflurane 3% 6時間の6群に分け麻酔をかけ、アポトーシスによる細胞死の指標であるcaspase-3を蛍光抗体法で検出することにより海馬と脳梁膨大後部皮質においてアポトーシスを起こした細胞数を確認した。なお上記のうち④、⑤、⑥は現在小児における一般的な麻酔法である。
その結果、海馬と脳梁膨大後部皮質の両方においては⑥が④に比較して有意に多くのアポトーシスを起こした細胞を確認した。使用薬剤が少ない④が最も神経細胞死に影響が少ない麻酔法と予想されたが、④と⑤に差はなかった。これにより、⑥が最も危険な麻酔法である可能性が示唆され、この麻酔法を回避することで神経細胞死を抑制し、術後小児の行動障害や学習障害を予防できる可能性を提示することができた。
さらに、多光子レーザー顕微鏡を用いて、脳内大脳皮質の神経細胞をOregongreen BAPTA-AMによって標識し、その細胞内Ca2+を可視化することに成功した。麻酔薬による神経細胞死の程度は小胞体からのCa2+の流出量に依存するという説があり、多光子レーザー顕微鏡を用いた神経細胞の生体内観察法によりこれを確認する。神経細胞死の機序が解明できれば、引き続き予防法の開発に繋げることができる。

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公開日: 2014-07-24  

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