研究課題/領域番号 |
23791708
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
矢田部 智昭 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (60437720)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 周術期管理 / 経口摂取 / 腸管機能 |
研究概要 |
研究計画に基づき,23年度はラットを用いた基礎研究を行った。48時間の介入期間において,滅菌水の摂取のみ(対照群),経口補水液(臨床で使用されている経口補水液であるOS-1),炭水化物含有飲料(臨床使用されている炭水化物18%含有アルジネード・ウォーター)を各群6匹ずつでそれぞれ摂取させた。48時間の介入後,腸管粘膜を採取し,HE染色を行う,その状態について観察した。また,同時に採血も行い,腸管粘膜の状態を強く反映するDAO活性を測定し,HE染色による形態学的評価と併せて血液検査における評価を行った。現在,血液検査結果については解析中である。概ね,計画通りの研究を遂行でき,48時間の短時間であっても摂取する飲料水の違いにより,腸管粘膜の状態に違いがあるのかないのかを検査結果の解析がすべて終わった段階で明らかにすることができる。現在,周術期の管理の違いが,患者予後改善につながる可能性が強く示唆されており,特に,周術期の経口摂取の重要性が大きく取り上げられている。その一方で,何をどれだけ摂取すればいいのかについては,ほとんど検討がされてきていない。本研究は実際に臨床使用されている飲料水を使用し,その点を明らかしようとした研究であり,この臨床における疑問を解決できる可能性がある研究である。従って,今後の周術期管理を考える上で,重要な結果を得ることができると考えている。本研究の結果については,全国学会での発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度には,基礎研究で飲料水の違いが腸管粘膜に与える影響について検討を行うことが目標であった。この点において,研究は概ね順調に遂行でき,現在,血液検査の解析結果を待つのみである。結果をまとめた上で,全国学会での発表の準備を行いたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は臨床研究において,インスリン抵抗性改善作用を有するかについて検討を行う。現在,介入研究に先行して,ボランティア研究で,どれほどのインスリン抵抗性改善作用を有するかの検討を進めている。その後,介入研究を行い,当初の計画通りの研究を遂行する予定としている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は人工膵臓を用いた研究を計画しており,その消耗品の購入に研究費を使用する。また,血液検査も計画書の如く行う予定であり,それに使用する。また,研究結果の公表を国内学会あるいは国際学会で予定しており,旅費への使用も計画書に基づいて予定している。
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