研究課題/領域番号 |
23791714
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西岡 健治 長崎大学, 大学病院, 助教 (70380904)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 喘息 / 麻酔薬 / 気道平滑筋 / リモデリング |
研究概要 |
Ovalbumin 10μg とアジュバントを腹腔内投与して感作したラットでは、抗原であるOvalbuminを投与することで、即時型アレルギー反応により、気管平滑筋の収縮を誘発できる。フェンタニルやプロポフォール、セボフルランはこの収縮を抑制した。この結果をもとに、より喘息患者に近いモデルで検討するため、初回感作から2週間後から、更に2週間の間Ovalbumin を鼻腔内に隔日で投与し、追加感作を行った。当初の計画どおりIsometric tensionの変化で検討したところ、追加感作したラットでは、最も単純な収縮刺激であるアセチルコリンでの反応は、収縮力の最大値の上昇は認めるものの、EC 50は変化しなかった。このため、Isometric tensionで検討した場合、薬剤への反応性の変化をとらえることが難しいと考えられた。当初の計画では前述の麻酔薬の影響を追加感作後に調べる予定であったが、この結果を受けて、追加感作の影響としてまずは病理組織学的検討をおこなうこととし、追加感作時から抗炎症作用のある薬剤を投与して、気道平滑筋の収縮力の変化・形態的変化に及ぼす影響を検討することにした。手始めとして麻酔薬の中で重症喘息の治療に用いられることもあるセボフルランを追加感作の際に吸入させ、病理標本を作製している。まだ数は不十分であるが、追加感作によって、これまで喘息患者の気道平滑筋のリモデリングとして報告されているとおり、好酸球の浸潤を主体とした炎症性変化に加えて、上皮における杯細胞の増加や平滑筋の肥厚が観察された。セボフルランはこの形態的変化を抑制している可能性があり、機能的変化(収縮力の変化)と併せて、現在検討中である。当初の計画からすると少し遠回りになるが、周術期の喘息患者の安全な管理を確立するという当初の目的の達成のために必要であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験結果が予想と異なり、予定していた方法だけでは検討するのが難しくなったため
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今後の研究の推進方策 |
現在の感作方法での気道平滑筋の変性の程度を、可及的に明らかにし、当初の計画通りこのモデルでの麻酔薬の影響を明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物や薬剤などの消耗品の購入が中心であるが、使用可能な実験機材が老朽化してきており、本年度も一部修理を必要としたため、同様の修理費用が必要となる可能性がある。また、現在検討中の気道リモデリングのデータをまとめて学会発表することで、同時に効率的に研究手法などの情報収集を行う必要があり、旅費にもある程度当てることを計画している。
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