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2012 年度 実施状況報告書

敗血症時の神経筋伝達能に関する病態生理の解明と有効な治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23791720
研究機関札幌医科大学

研究代表者

新谷 知久  札幌医科大学, 医学部, 助教 (80510312)

キーワード敗血症
研究概要

平成24年度の主目的は,神経筋伝達能が変化した敗血症モデルに対して,麻酔薬が及ぼす影響を検討することであった.麻酔薬の影響の一つとして,まず,麻酔領域で使用可能となった新しい神経筋遮断薬拮抗剤であるスガマデクスの作用性に関して収縮生理学的に検討を行った.この検討はラットのSepsis群,およびSham群において,横隔神経付きの横隔膜を摘出し,クレブス液を満たしたチャンバー内で横隔神経刺激による収縮力をコンピューター解析することで行った.この際,一定の筋弛緩状態を得たのちに,スガマデクスを加算投与し,容量ー収縮力曲線を求めて,Sepsis群とSham群の反応性の違いを検討した.その結果,Sepsis群において,スガマデクスの作用性が減弱していることが明らかとなった.このことは,敗血症において通常の投与量を用いた場合に過少投与となることで,リバウンド減少を惹起する可能性を示唆するものであり,臨床使用において安全性向上に大いに貢献するデータであると考えられる.現在は,電気生理学的実験に移行し,前述した収縮生理学的実験結果の機序の詳細な検討を行っているが,いまだ,十分なデータ数には至っていない.しかし,筋弛緩薬による終板電位の減弱をスガマデクスが回復させる過程において,電位回復の程度が遅れているというデータが出てきているところである.今後十分なデータ数を確保し,機序解明につなげていく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度までに敗血症誘発物質が筋弛緩薬の作用性減弱に及ぼす影響を解明する予定であったが,年度内に当初予定通りの達成ができなかったため,24年度も引き続き研究を続けていた.このため,平成24年度の実験計画もやや遅れ気味となった.

今後の研究の推進方策

平成25年度は,麻酔薬が敗血症時の神経筋伝達能の増強に及ぼす影響,特にスガマデクスの作用性の変化の機序を解明し,敗血症時における最も有効かつ安全な使用方法を確立させる.また,得られたデータを詳細に検討し,国際学会や論文で世界に向けて発信していく.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は,安定したモデル作成に時間を要したため,電気生理学的実験に移行するのが遅延した.このため,当初の予定からは外れ研究費に残高(387,637円)が生じた.平成25年度は,電気生理学的実験に必要な電極,ラットを含む消耗品の購入,国際学会発表のための旅費などに使用予定である.

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公開日: 2014-07-24  

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