モルモットの肝静脈の単離標本を作製し、その張力と膜電位の測定に成功した。経壁神経刺激をすると、一過性の張力増大反応を起こした。この収縮は、Phentolamine 存在下で抑制された。Atropine 存在下では収縮の持続時間が短くなり、Guanethidine 追加投与で見られなくなった。Phenylephrine(Phe)は濃度依存的に収縮を起こし、Isoproterenol は弛緩を起こした。Noradrenaline (1 - 3 μM)は濃度依存的に収縮を起こしたが、10 μM では逆に収縮が抑制された。Acetylcholoine は収縮を起こし、Phe 存在下でもさらに収縮を増大した。静止膜電位は-45 ±5 mV であった。ACh は張力の増大とともに膜を5mV 脱分極させた。Phe も張力の増大とともに膜を 3mV 脱分極させた。以上の結果から、モルモット肝静脈はアドレナリン作動性およびコリン作動性の神経支配の興奮性の神経支配を受けており、α受容体とムスカリン様受容体が興奮性の、β受容体が抑制性の反応を担っていることが分かった。
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