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2012 年度 実施状況報告書

吸入麻酔の種類による幼若脳の障害の発現型及び程度の比較

研究課題

研究課題/領域番号 23791734
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究

研究代表者

児玉 光厳  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (00597528)

キーワード8307
研究概要

臨床的に一般的に使用されている麻酔薬であるセボフルラン、イソフルラン、デスフルランの幼若期脳神経に対する毒性の比較というテーマで研究を実施したがデスフルランが最もアポトーシスを引き起こし、また成長後の記憶障害の点では長期記憶はイソフルラン、セボフルラン、デスフルラン三剤とも同等の障害を来たすが、短期記憶においてはデスフルランのみが障害を起こすことを発見しこれをAnesthesiology誌に報告を行った。
また本毒性のレスキュードラッグとして水素の併用投与により麻酔薬暴露直後のアポトーシスおよび成長後の記憶障害、社会性行動障害を軽減することを共同研究者の与那嶺らと発見しAnesthesiology誌に報告した。
現在は麻酔薬暴露直後の脳神経における燐酸化ERKの減少が起こることも判ってきたため、本毒性に対するレスキュー効果を期待し、ERKの燐酸化を促進することが知られているフラボノイドの一種であるFisetinの腹腔投与を行いその効果の研究を行っている。
麻酔暴露直後のアポトーシス、成長後の記憶障害、および酸化ストレスの原因とされるミトコンドリアのプロトントランスポーターの障害を拡散反射光計測を用い評価を実施中であり、Fisetinのよるアポトーシス、記憶障害の軽減、およびミトコンドリアのプロトントランスポーターの障害の軽減も確認し現在学術誌への投稿を目標に論文作成を行っている最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床的に一般的に使用されている麻酔薬であるセボフルラン、イソフルラン、デスフルランの幼若期脳神経に対する毒性の比較というテーマで研究を実施し、Anesthesiology誌に報告を行った。
また本毒性のレスキュードラッグとして水素の併用投与により麻酔薬暴露直後のアポトーシスおよび成長後の記憶障害、社会性行動障害を軽減することを共同研究者の与那嶺らと発見しAnesthesiology誌に報告した。
本毒性の母性行動の障害というテーマも共同研究者と実験を実施し、Anesthesiology誌に投稿しrevision中である。
またメカニズムの一端としてプロトントランスポーターの障害を生体において経時的な変化を捉える試みを拡散反射光計測を用い行っており一定の成果を得るに至っている。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては、現在実施中のFisetinの本毒性に対するレスキュードラッグ効果を麻酔暴露直後のアポトーシス、成長後の記憶障害、および酸化ストレスの原因とされるミトコンドリアのプロトントランスポーターの障害を拡散反射光計測を用い評価し、学術誌に報告するとともに、本毒性のメカニズムの本態の究明をすべく脳神経初代培養細胞を用い、酸化ストレス発生に至る細胞内の変化を発現蛋白、遺伝子発現の側面から研究していきたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費の使用計画としては、細胞培養に必要な試薬、実験動物、クリーンベンチおよびインキュベーターの維持費としておもに活用していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Coadministration of hydrogen gas as part of the carrier gas mixture suppresses neuronal apoptosis and subsequent behavioral deficits caused by neonatal exposure to sevoflurane in mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Yonamine R, Satoh Y, Kodama M, Araki Y, Kazama T.
    • 雑誌名

      Anesthesiology

      巻: 118(1) ページ: 105-13

    • DOI

      10.1097/ALN.0b013e318275146d.

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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