研究課題
癌化学療法は、副作用の問題が常に課題としてあげられる。癌患者の増加とともに、高効果・低副作用な抗癌剤の開発が求められている。2004年のNatureに固形腫瘍の癌特異的分子としてアネキシンが報告された。アネキシンは癌の新生血管表面に発現する分子で、肺癌、乳癌、前立腺癌など多種の固形腫瘍で発現が確認されている。さらにアネキシンを標的とした治療は、マウスモデルではあるが、治療効果が報告された。しかしその治療法はマウス抗体を用いたものであり、ヒトへの応用はまだ道のりが長いと言わざる負えない。我々はアネキシン結合ぺプチドを同定し、癌特異的化学療法の基礎となる抗癌剤の合成・精製実験を行った。ペプチドの利点は容易に化学合成可能で、各種抗癌剤との組み合わせも可能である点にある。また、大量合成によりコスト削減が期待でき、抗体医薬品のように高価にはならないと考えられる。本研究では、現在臨床応用されている抗癌剤にペプチドを組み合わせ、高効果かつ低副作用な癌特異的抗癌剤の開発を目的としている。H23年:抗癌剤とペプチドの合成:白金系抗癌剤、タキサン系抗癌剤、カンプトテンシンなどとペプチドを化学合成し、抗癌剤を作成する。結果:カンプトテンシン、タキサン系の抗癌剤との合成に成功し、まだ少量ではあるがサンプル採取が可能であった。H24年以降は大量生産系の確立と泌尿器癌モデルマウスの作成と抗癌効果の検討を予定しており、前立腺癌、腎癌等のモデルマウスで抗癌剤の効果や、血液毒性、組織毒性などを検討する予定である。
2: おおむね順調に進展している
カンプトテンシン、タキサン系の抗癌剤との合成に成功し、まだ少量ではあるがサンプル採取が可能であった。今後、実験可能な量まで増産し、泌尿器癌モデルマウスの作成と抗癌効果の検討を行う予定である。
今後、癌特異的抗癌剤を実験可能な量まで増産し、泌尿器癌モデルマウスの作成と抗癌効果の検討を行う予定である。
抗癌剤、ペプチドの購入費、その合成費用、大量合成の費用、細胞培養、マウス実験のための費用に使用する
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (6件)
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