研究概要 |
高脂肪食を摂取した前立腺癌細胞株LNCaP xenograftマウスは高炭水化物食およびWestern diet食を摂取したマウスよりも腫瘍増殖が有意に大きかった。また、マウス血清中のInsulin、IGF-I、 炎症性サイトカイン (IFN-gamma、IL-10、IL-12p70、IL-6、MCP-1、TNF-alpha, TWEAK) を測定したところ、血清MCP-1は 高脂肪食群が他群に比べ有意に高かった。また、Xenograft 中のMCP-1受容体CCR2も高脂肪食群で有意に高値であった。 高脂肪食マウス血清で培養したLNCaP 細胞は、他群に比べて細胞増殖が有意に亢進し、このLNCaP増殖はCCR2 siRNAで強く阻害された。今回の検討で高脂肪食は高炭水化物食やWestern dietより強く前立腺癌の増殖を促進することが明らかとなり、その機序にMCP-1/CCR2シグナルの関与が示唆され、この結果は論文で報告した(Huang M, Prostate, 2012)。また患者血清を用いたMCP-1と前立腺全摘患者の臨床因子や前立腺全摘後の生物学的再発には相関を認めなかったが、現在患者脂肪組織中のMCP-1濃度と臨床因子の関連も引き続き検討中である。
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