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2011 年度 実施状況報告書

前立腺癌骨転移とオステオネクチンの関連についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 23791747
研究機関金沢大学

研究代表者

三輪 聰太郎  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80507070)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード前立腺癌 / オステオネクチン
研究概要

オステオネクチン(Secreted Protein and Rich in Cysteine, SPARC)は細胞外マトリックスタンパク質である。これは様々な癌腫で増殖、浸潤との関連が調査されてきたが、前立腺癌においてはまだほとんど研究されていない。今回オステオネクチンの発現と、前立腺癌細胞の増殖、及び遊走能との関連性を調査した。RT-PCRとWestern blottingにてオステオネクチンの発現量を調査すると、進行性前立腺癌患者の針生検組織から樹立された前立腺癌由来細胞株は、前立腺癌細胞株と比較して、明らかに高レベルのオステオネクチンmRNAとタンパク質を発現していた。アンドロゲン依存性前立腺癌細胞LNCaPおよび非依存性前立腺癌細胞株PC-3の増殖はオステオネクチンによりdose-dependentに抑制された。さらに、前立腺癌細胞の遊走能をwound healing assayにて調べると、オステオネクチンは癌細胞の遊走能も阻害した。 これらの抑制の機序を明らかにするために、AKTのリン酸化をWestern blottingにて調べると、オステオネクチンによりAKTのリン酸化が阻害された。すなわち、オステオネクチンによる増殖、遊走能の阻害作用はAKT-p21シグナル伝達経路を阻害して作用していることが示唆された。 以上の結果より、癌由来間質細胞から分泌されるオステオネクチンが前立腺癌細胞と相互作用していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オステオネクチンと前立腺癌細胞、前立腺癌由来間質細胞との関連性を明らかにすることができたため。

今後の研究の推進方策

これまでは前立腺癌由来間質細胞を用いてオステオネクチンの研究を行なってきたが、我々の施設では肋骨由来間質細胞も樹立している。しかし、これらの細胞は数代しか継代できないため、継続的な安定した実験結果を出すのが難しい。このため、今回、間質細胞にSV40 T-antigen遺伝子を導入することにより、間質細胞を不死化を行い、安定的な実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は、オステオネクチンの間質細胞からの発現の確認、オステオネクチンによる前立腺癌の増殖抑制などの実験が比較的うまく行えたので、実験費用を予定よりも抑えることができたと考えている。次年度については、間質細胞を不死化するために遺伝子導入試薬の購入、細胞培養試薬、オステオネクチンの購入を考えており、残額をこれに充てたいと考えている。

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公開日: 2013-07-10  

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