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2012 年度 実施状況報告書

磁性ナノ粒子を用いた温熱治療と光力学的治療を併用した新しい治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23791776
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

惠谷 俊紀  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (30600754)

キーワードMCL Heat Therapy
研究概要

1.マウス膀胱がん皮下転移モデルの作成 ; BALB / c Slc-nu/nuにT24:1×106 cells / 100 μl (in PBS)を背中の左右に皮下移植しマウス膀胱がん皮下移植モデルを作成した。
2.MCL Heat Therapyの治療効果 ; 作成したモデルマウスを①Control群(無治療群)②MCL注入群(AMF非照射群)③MCL注入+AMF照射群(治療群)に分類し、治療を開始した。治療は2回/週、4週間行った。MCLの注入後、30分間AMFを照射した。治療は片側のみとした。治療終了後、MCLの集積の確認を鉄染色にて行った。腫瘍部にMCLを認め、MCL集積周囲にはnecrosis areaを認めた。MCL注入+AMF照射群はControl群に比べ、腫瘍の増殖を抑えた。さらにControl群に比べ、腫瘍の壊死領域が有意に拡大し、apoptosisを誘導した。これらの結果から、MCL注入+AMF照射群はより強力に腫瘍を抑制することが判った。また、MCL注入+AMF照射群において、非治療側の腫瘍縮小効果が認められた。HSP70,CD8陽性Tリンパ球の誘導サイトカインである、IL-2,IFN-γをwestern blottingにて計測したところ、治療群において有意な誘導を認めた。さらに、CD8陽性Tリンパ球の評価を目的に免疫染色を行ったところ、治療群において有意な誘導を認めた。以上の結果からMCL Heat Therapyは膀胱がんに対する直接的な抗腫瘍効果を示すだけではなく、CD8陽性Tリンパ球を介した腫瘍免疫を強化していることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究目的は、マウス膀胱癌皮下移植モデルに対して、フラーレン+UVA-1照射および磁性ナノ粒子(MCL)を用いた磁場誘導組織内加温法の併用療法による腫瘍縮小効果について明らかにすることである。これまでに、膀胱がんに対するMCL Heat Therapyの抗腫瘍効果について証明した。さらに、非治療側に腫瘍縮小効果を認めたため、腫瘍免疫の関与を示唆する結果を得た。そのため、MCL Heat Therapyの免疫賦活化作用の評価、western blotting,免疫染色,蛍光免疫染色(HSP70,IL-2,IFN-γ,CD8陽性Tリンパ球)やその分析に時間を要した。

今後の研究の推進方策

これまでに、MCL Heat Therapyの膀胱がんに対する治療効果(抗腫瘍効果および免疫賦活化作用)を証明した。当初の予定では、24年度にPhotodynamic therapyの治療効果の検討も行う予定であった。今後、効率的に研究を進めるため、研究方法毎に研究者を分担し、定期的な研究報告会を行うことにより、研究の共有化をはかることとする。一部の研究については業者への委託研究によって行う予定である。さらに、定期的に催される研究グループの報告会で、研究の進捗状況、その方法を検証し、研究の方向性、妥当性を適宜検討する。問題が生じた場合には、その都度学内外の専門家より適切な指示を受け修正する。さらに当大学内の定期的な研究報告会で、研究の妥当性と進捗状況を他グループの研究者からも客観的に評価してもらい、研究を円滑に行うよう努める。

次年度の研究費の使用計画

MCL Heat TherapyとPhotodynamic therapyの膀胱がんに対する治療効果の検討のため、マウス購入費として使用予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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