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2011 年度 実施状況報告書

マウス片側尿管閉塞モデルを用いたMRTF分子を介する新しい腎間質線維化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791777
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

木村 泰典  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20398374)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード腎線維化 / MRTF / 片側尿管閉塞マウスモデル / 上皮間葉転換
研究概要

片側尿管閉塞(UUO)マウスモデルを用いて腎線維化を起こさせたとき、MRTFの活性が上昇し、尿細管上皮細胞が筋線維芽細胞に形質転換(上皮間葉転換)を起こし、ファイブロネクチンなどの細胞外基質を分泌し、組織線維化が進行する。MRTFのsiRNAを用いてMRTFの活性を落とせば、腎間質阻害効果が得られるはずであることがこの研究で示したいことである。 まず最初にin vitroの実験において、MRTFが腎線維化の鍵となる因子であることを証明するため、ラットの腎筋線維芽細胞NRK-49FにおいてMRTFの活性をsiRNAでノックダウンした。Western blot、phalloidin染色の結果から、NRK-49Fは細胞質内の筋原繊維様収縮装置を失い、特徴的な中胚葉由来筋系分子マーカーの発現が低下し、筋線維芽細胞としての形質を失い、細胞外基質の分泌能が低下が起こることが証明できた。 次にマウス片側尿管結紮モデルの条件検討を行なった。10週齡C57BL/6マウスを各2匹ずつ準備し、左側尿管結紮術後0,1,3,5,7日目のサンプルを採取した。collagen1を染めるsirius red染色を行なったところ、腎線維化は7日目で完成されることを確認した。また摘出した腎組織においてMRTFの免疫組織染色を行い、その染色条件を確立した。現在もう一度マウスのn数を増やし、データを収集している段階である。 以上より研究はおおむね順調に進展しており、n数を増やしたデータがしっかり取れればsiRNAの実験へと進んでいく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度の研究計画は片側尿管閉塞による腎線維化モデルをマウスを用いて再現し、生体内においてMRTFが腎の間質線維化の活性化因子として働いていることを免疫組織染色ならびにウエスタンブロット法で明らかにすることを目標としていた。 これについては10週齡C57BL/6マウスを各2匹ずつ準備し、左側尿管結紮術後0,1,3,5,7日目のサンプルを採取することができた。麻酔、手術手技を確立することができた。採取したサンプルでcollagen1を染めるsirius red染色を行なったところ、腎線維化は7日目で完成されることを確認した。また摘出した腎組織においてMRTFの免疫組織染色を行い、その染色条件を確立した。線維化が進むとともに経時的にMRTFの蛍光強度は上昇するようである。 また逆にMRTFの活性を落とすことで腎間質阻害効果が得られるかについては、MRTFのsiRNAを構築した。まずin vitroの実験において、MRTFが腎線維化の鍵となる因子であることを証明するため、ラットの腎筋線維芽細胞NRK-49FにおいてMRTFの活性をsiRNAでノックダウンした。Western blot、phalloidin染色の結果から、NRK-49Fは細胞質内の筋原繊維様収縮装置を失い、特徴的な中胚葉由来筋系分子マーカーの発現が低下し、筋線維芽細胞としての形質を失い、細胞外基質の分泌能が低下が起こることが証明できた。このsiRNAを用いて今後実際マウスの生体内で腎線維化阻害効果が得られるかを検討する。

今後の研究の推進方策

平成24年度以降は、腎間質線維化において生体内でMRTFが中心的役割を果たしていることを証明するため、MRTFのsiRNAをマウスに投与し、MRTF活性を落とすことで、腎の間質線維化抑制効果が得られることを検証することが目的となる。10週齡野生型マウス雄において尿管結紮術後、MRTFのsiRNAを投与した群と、対照となるcontrol siRNAを投与した群とで線維化の程度をsirius red染色を用いて比較する。これでデータが得られれば、国際誌に発表すべく、論文作成を行なっていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は、n数を増やしデータの精度を上げるため、実験動物の購入とその飼育に関する費用、siRNA導入試薬類、免疫染色のための試薬類、western blotを行なうための試薬類の購入に当てる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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