近年増加傾向にある膀胱癌の新たな診断ツールとして、新規尿バイオマーカーの確立を目的に研究をおこなった。MPHOSPH1とDEPDC1について、リアルタイムPCR法を用いて発現定量解析をおこなうと、尿沈渣中に含まれる白血球の混入が発現に影響していることが判明し、CD13とCD31の発現定量を行ってその補正を試みた。その結果、CD31の発現を用いて補正を行うと、担癌患者において正常検体に比べ発現亢進している傾向が認められた。また、非浸潤性膀胱癌と浸潤性膀胱癌間の発現比較をおこなったところ、筋層浸潤性膀胱癌症例群において有意に2遺伝子の発現上昇を認めた。そこで、この2群で沈渣より蛋白を抽出し、ウエスタン法による比較を行うと、RNAと同様に進行例において蛋白発現の上昇傾向を確認した。
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