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2011 年度 実施状況報告書

バフィロマイシンを用いた表在性・浸潤性膀胱癌細胞に対する治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23791784
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

吉峰 俊輔  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70445245)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード膀胱癌 / 抗癌剤
研究概要

V-ATPase 阻害剤(バフィロマイシン)を用いた表在性・浸潤性膀胱癌細胞に対する治療戦略の確立。これまでの研究の結果、膀胱癌細胞株(UMUC-3)においてバフィロマイシン(BMA)による抗腫瘍効果、アポトーシスに誘導に関し、一定の結果を得ることができた。膀胱癌細胞株においてBMAの濃度・時間依存性効果(cell viability assay)を認めた。また、BMAの濃度依存性のにcaspase3といったアポトーシス関連蛋白誘導を認めた。これにより膀胱癌細胞株においてBMAがアポトーシスを誘導し、抗腫瘍効果をもたらすことが確認された。Bcl-xLを含めたBcl関連蛋白の発現を検討では膀胱癌細胞株において、BMA投与により抗アポトーシス蛋白であるBcl-xLの発現抑制がBMAの濃度・時間依存性に起こることが確認された。これによりBMAがBcl-xLをターゲットとした分子標的薬の可能性が示唆された。MBT-2同所性膀胱腫瘍モデルを用いた膀胱内注入の抗腫瘍効果の検討:MBT-2同所性腫瘍モデルを用いて経尿道的にBMAと各種抗癌剤併用での膀胱内治療を行い、転移の有無(リンパ節、肺転移)もあわせて検討する。また摘出標本から、細胞周期関連蛋白(p53、p21、p27、RB)、血管新生(CD-34、VEGF、basic FGF、angiostatin、endostatin、thrombospondin-1)、アポトーシス関連蛋白の検出を免疫染色法(Immunohistochemistory)にて行い、アポトーシスの検出は(ds-DNA法)にて確認する。こうしてin vivoでのアポトーシス関連蛋白(Bclファミリー)の発現部位の特定、アポトーシスを誘導と発生部位の確認を現在進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膀胱癌細胞株においてバフィロマイシン(BMA)による抗腫瘍効果、アポトーシスに誘導に関し、in virtoでは一定の結果を得ることができたと考えるが、in vivoのマウス同所性膀胱腫瘍モデルを用いた膀胱内注入の抗腫瘍効果の検討ではBMAの抗腫瘍効果が十分ではなく、今後投与方法・濃度等の検討は必要と考えられる。

今後の研究の推進方策

MBT-2V肺転移膀胱腫瘍モデル、UMUC-3の皮下腫瘍モデルを用いたBMAと各種抗癌剤併用での転移抑制効果の検討:肺転移モデルは30日目にマウスを安楽死させ、肺転移巣を摘出し、腫瘍の重量、転移数を計測する。皮下腫瘍モデルは30日目にマウスを安楽死させ腫瘍を摘出し重量、腫瘍径を測定する。投与経路は、尾静注、経口投与、腹腔内投与、局所注入にて検討する。また、連日マウスの体重、尿量を計測する。In vivoにおけるBMAと各種抗癌剤併用での細胞周期、血管新生、アポトーシス、転移抑制に及ぼす影響:摘出標本の細胞周期(p53、p21、p27、RB)、血管新生(CD-34、VEGF、basic FGF、angiostatin、endostatin、thrombospondin-1)、アポトーシス関連蛋白、転移浸潤(MMP、TIMP、E-cadherin)などの蛋白の検出を免疫染色法にて確認する。臨床検体での検討:当教室で保存している臨床検体(表在性、浸潤性膀胱癌ならびに上部尿路癌)を免疫組織学的にアポトーシス関連蛋白を染色し、臨床経過プロファイルを統合させ、発現の差により患者の生命予後がどういった相関、関連があるかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

動物実験(マウス)およびその飼育費、各種抗体、試薬などの消耗品購入費のほか、学会発表・論文発表に伴う経費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 上部尿路上皮癌におけるBcl-xLの発現と予後との関連の検討2012

    • 著者名/発表者名
      吉峰 俊輔、菊地 栄次、小坂 威雄、宮嶋 哲、大家 基嗣
    • 学会等名
      第100回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2012年4月22日

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公開日: 2013-07-10  

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