• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

機能的ゲノム解析による卵巣がんの新規治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23791801
研究機関東北大学

研究代表者

豊島 将文  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70451581)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードc-Myc / siRNAスクリーニング / 卵巣がん / マウスモデル / 合成致死作用 / カゼインキナーゼ1 epsilon / in vivo imaging system
研究概要

本研究は卵巣がんにおける新規治療標的の探索を目的にして、がん遺伝子Mycの発現量の多寡に注目して大規模siRNAスクリーニングによる機能的ゲノム解析を行うものある。基礎的な研究は正常核型をもつ新生児包皮から樹立された細胞HFFとその細胞にc-Mycを強制発現させたHFFc-Mycとの対比でスクリーニングを行った。このスクリーニングは独立に2回行われたが、高い再現性を得ることができた。Hitとなった分子に関しては生物情報学的な解析を行った。具体的にはIngenuity pathway analysisで分子間の既知の結びつきを網羅的にネットワーク解析し、それぞれの分子の関連を抽出、さらにそれらの分子をデータベースで解析する事により正常卵巣組織と卵巣がん組織での発現をRNAレベルおよびタンパクレベルで比較検討した。これらの解析結果とスクリーニング結果、およびリン酸化酵素であれば阻害剤の有無を検討して、in vitroおよびin vivoでの検討対象とする予定である。現在までにカゼインキナーゼ1e、WEE1、オーロラキナーゼAを対象分子として同定している。またin vivoで非侵襲的・継時的に卵巣がんの進展を評価できるモデルとしてin vivo imaging systemを使用してきたが、これに加えて小動物CT(日立アロメディカル)や小動物用MRIの使用を検討している。上記に加えて、同様の大規模スクリーニングを卵巣がん治療で最も問題となる「薬剤耐性」の克服に応用できるかどうかも検討した。現在までに種々のin vitroで薬剤耐性を獲得した卵巣がん細胞のペアーが報告されている。その中でも我々はA2780細胞とA2780 CP70細胞でスクリーニングを行う予定である。すでに大規模スクリーニングは終了し、現在はマイクロアレイ解析のためのチップ購入などの準備を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スクリーニングに使用している細胞株のストックが順調に進んでいる。また動物実験モデルとして小動物CTおよび小動物MRI、IVISの使用の準備が進み、一部は予備実験が成功している。当大学で大規模スクリーニングの準備が進み、使用機器の講習会等を通じて予備実験の準備が進んでいる。

今後の研究の推進方策

共同研究施設である米国シアトル市のQuellos Screening CoreにおいてsiRNAスクリーニングを行う。その結果をbio-informaticsを利用して解析して適切なHitsを見つけ出して、in vitroおよびin vivoで卵巣がんの治療対象となるかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額と合わせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] MYC-driven tumorigenesis is inhibited by WRN syndrome gene deficiency2012

    • 著者名/発表者名
      Russell Moser, Masafumi Toyoshima, Kristin Robinson, Kay E. Gurley, Heather L. Howie, Jerry Davison, Martin Morgan, Christpher J. Kemp and Carla Grandori
    • 雑誌名

      Mol. Cancer Research

      巻: 10 ページ: 535-545

    • DOI

      10.1158/1541-7786.MCR-11-0508

  • [学会発表] 卵巣がんにおける新しい治療標的探索ツールとしての大規模siRNAスクリーニング、およびG2/Mチェックポイント関連分子の同定2011

    • 著者名/発表者名
      豊島 将文
    • 学会等名
      第63回日本産科婦人科学会学術総会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル(大阪)
    • 年月日
      2011 – 830
  • [学会発表] casein kinase 1 epsilonはc-Myc過剰発現を バイオマーカーとした、 卵巣がんの新規治療標的である2011

    • 著者名/発表者名
      豊島 将文
    • 学会等名
      第50回日本婦人科腫瘍学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2011 – 723
  • [学会発表] 機能的ゲノミクスによる、卵巣がんにおけるc-Myc過剰発現と合成致死作用を持つ分子標的の探索2011

    • 著者名/発表者名
      豊島 将文
    • 学会等名
      化合物ライブラリー第2回講習会
    • 発表場所
      東北大学薬学部
    • 年月日
      2011 – 1220
  • [学会発表] Therapeutic targets for MYC-driven cancer2011

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Toyoshima, Heather L. Howie, Carla Grandori
    • 学会等名
      AACR-NCI-EORTC International Conference, Molecular Targets and Cancer Therapeutics(招待講演)
    • 発表場所
      Moscone Center West (SanFranscisco, USA)
    • 年月日
      2011 – 1115
  • [学会発表] Identification of Targeted Therapies for c-Myc overexpressed Ovarian Cancers by Functional Genomics2011

    • 著者名/発表者名
      豊島 将文
    • 学会等名
      第70回日本癌学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2011 – 103
  • [備考]

    • URL

      http://www.ob-gy.med.tohoku.ac.jp/prize.html

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi