1.マウスを用いたエクアトリンとエンドサイトーシス関連タンパク質との相互作用解析 野生型マウス精子より調製したエクアトリンを含む複合体を抗エクアトリン抗体EQ70-83(受精を阻害しない)を用いて免疫共沈降した。得られたサンプルの質量解析を行なった結果、先体膜タンパク質や膜裏打ちタンパク質、プロテアソーム関連タンパク質、核周囲鞘関連タンパク質などが同定された。今後、可溶化条件を変更し候補を絞り込むとともに、抗体染色やリコンビナントタンパク質を用いて相互作用の解析を行なう。 2.精子の卵子へのエンドサイトーシスから精子核脱凝縮に至るまでの過程における核周囲物質の挙動の解析。 EQT-EGFP発現量の多いマウスを得るため、遺伝子座の同定を試みた結果、染色体2番と10番にEQT-EGFPが挿入されている2系統を確立した。それぞれの系統において、片方のアリルにしかEQT-EGFPを持たないマウスの精子は、それぞれの系統ともに、受精のイメージンクに充分な蛍光を有していた。EQT-EGFPマウスの精子を解析した結果、先体の形態や先体反応、妊孕性に異常は認められず、ノックアウトマウスの機能回復実験にも用いられると考えられる。受精から前核形成までにおはる核周囲鞘の変化をEQT-EGFPを指標に解析する準備が整った。現在、系統維持と実験に用いるためのマウスを繁殖中である。
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