エストロジェン(E2)がエストロジェン受容体(ERα)発現細胞を介して傍分泌作用によりERα非発現細胞の増殖を制御する機構をin vitroで再現することを試みた。非腫瘍形成性乳腺上皮細胞株(MCF 10A)に由来する、ERα発現細胞とERα非発現細胞を共培養し、E2の各細胞の増殖率に対する効果を調べた結果、E2によってERα発現細胞の増殖は抑制されたのに対し、ERα非発現細胞の増殖は変化しないことが明らかとなった。以上の結果は、E2によるERα非発現細胞の増殖制御に傍分泌作用が関与しないことが示唆された。
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